大山(おおやま)団地など

「日本で一番住みたい団地」とも言われている大山団地では。2004年以降孤独死ゼロ。

石破 茂 です。

今週月曜日に自民党立川支部女性部で講演を行いました際、「日本で一番住みたい団地」とも言われている大山(おおやま)団地を取り上げてお話しさせていただきました。

事前の下調べの時、「2004年以降、孤独死ゼロ」という新聞の見出しを見て、孤独死が大きな社会問題となっている今、どうしてそんなことが可能なのかと思ったのですが、昨年3月まで15年間の長きにわたって自治会長を務め、活動を主導してこられた佐藤良子さんの著書「命を守る東京都立川市の自治会」(廣済堂新書)を読んで得心がいくとともに、このような取り組みが本当にあるのだと深い感銘を受けたことでした。

団地の中で一人で暮らしておられる高齢者の方の大きな悩みは「具合が悪くなっても誰も来てくれない」「死んでも、誰も看取ってくれないし、葬儀も出してもらえない」ということでしょうが、そんな寂しく、悲しい人生の終わりを迎えさせたくない、佐藤さんの活動の原点はそこにあるようです。

見守りも、安否確認も、葬儀も、自治会でやろう。自治会の運営費用は駐車場の管理や公園の清掃作業などのコミュニティビジネスでできるだけ捻出しよう。「今の時代、行政にすべて頼ることはできない。自分たちの町は自分たちで守るという意識を持ち、主体的に動くことが必要」と語り、実践してこられた佐藤さんや自治会の皆様に心から敬意を表します。

「個人情報保護」という難しい課題にどのように対処し、会費納入率を高めてこられたのか等々、まだまだ知りたいことは多くありますが、この著書をお一人でも多くの方にお読みいただきたいと願います。

さる29日日曜日に自民党結党60周年の式典が開催されました。

華やかで活気に満ちた式典でしたが、自民党に代わる政党が当面存在しない以上(民主党政権の失敗についての国民のトラウマはそれだけ強烈なものがあると思います)、自民党はさらに自己研鑚を積み、自重自戒の上で政権運営に臨まなくてはなりません。

日本の独立と平和を堅持し、国家の持続可能性を維持するために、日米安保体制の検証と財政の健全化(労働生産性の向上による経済成長と社会保障の重点化)は避けては通れない喫緊の課題です。

「一強」とも言われる今の状況をいかに生かすかは、われわれ自民党の責任の自覚にかかっているのだと思います。年明け早々にも行われる通常国会での論戦に向けて、寧日はありません。

くどいようですが、ネーミングはともかく「共謀罪」について、「上司のパワハラで苦しんでいる若者たちが居酒屋で『あの野郎、ぶっ殺してやりたい』『そうだ、そうだ』と会話しただけで既遂となってしまう」的な、ためにする批判が一部でみられます。構成要件も「共謀」の態様についても相当限定されているにもかかわらず、このような意図的な批判があることは極めて残念なことです。

「フランスには『共謀罪』的なものが規定されているのにテロが防げなかったのだから意味がない」という批判に至っては、明らかに論理の飛躍です。テロが想像をはるかに超えた手法で実行される以上、国民の生命・身体を守る側にも覚悟が必要です。

週末から月曜にかけては、5日土曜日が谷本石川県知事との会談、妙成寺、神子(みこ)の里、神音(かのん)カフェ視察(石川県羽咋市)、「石破茂を護る会」国政報告会、富山干し柿出荷組合視察、富山県議・「護る会」会員との懇談夕食会(富山県南砺市)。

6日日曜日は益田市真砂地区・真砂小学校取り組み視察(島根県益田市)、「素材香房ajikura」視察、移住者・定住者との意見交換会(島根県邑南町)。

7日月曜日はシングルペアレント事業、シネマプロモーション事業視察(島根県浜田市)、吉田ふるさと村意見交換会(島根県雲南市)、鳥取・岡山県境連携推進協議会で講演、新見市長との懇談(岡山県新見市)、という日程です。

石川県羽咋市神子の里での取り組みはドラマ「ナポレオンの村」(原作は「ローマ法王に米を食べさせた男」高野誠鮮著 講談社+α新書)のモデルとなったものです。

その他、島根県各地での取り組みも、以前から一度見てみたかったものですが、国会休会中の今しか纏まった日程が取れません。専門誌などではしばしば取り上げられているのですが、実際に自分で行ってみなければ講演などで紹介してみても説得力に欠けると思っており、このような日程を組んだ次第です。

余談ですが、「視察」という言葉は何だか上から目線のような響きがある気がしてあまり好きではないのですが、「見学」もおかしいし、いつも悩みます。何か相応しい言葉があればご教示ください。

12月6日まで、小田急新宿本店6階の京橋千疋屋パーラーで「鳥取フェア」が開催されています。

私の地元の名産である、糖度が日本一高い幻の柿「花御所柿」を使ったアラモードやみつ豆は、少しお高いかもしれませんが、本当に美味しいものです。とても希少な柿なので、材料が無くなり次第終了とのことですので、ご確認の上是非お出かけくださいませ(03-5323-0977)。

地元名産紹介をもう一つ。本物の梨を使った石鹸「20世紀梨しゃぼん」は、梨特有のシャリシャリ感のもとになる「石細胞」を使用しており、洗顔効果が高いと評判です。これも少しお高いのですが、お問い合わせは0858―22―1722「チトのゆび」まで。

今年もあと20日余り、時間は加速度的に早く過ぎ去ります。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

(2015年12月4日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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