二月十四日は製菓会社の策謀(?)が見事に功を奏し、日本中に定着した一日です。1969(昭和四十四年)年のこの日、当時私が通っていた鳥取の小学校で突如としてチョコレートが飛び交う光景が展開され、六年生だった私は何が何だかわからずにただただ困惑していたことをよく覚えております。

石破 茂 です。

この度の東京都知事選挙にあたりましては、多くの皆様のお世話様になり、お陰様で舛添要一氏が当選を果たしました。心より厚く御礼申し上げます。

新都知事に対して当欄にもいくつかのご懸念が寄せられており、舛添氏も公人たる政治家である以上、各方面からの批判に晒されることも甘受しなくてはなりません。

新都知事は都議会における各党からの質問にきちんと答えられる態勢を整えておくべきであり、まずはそこでのやり取りをご覧いただければと存じます。

様々な世論調査や出口調査などから、東京都の有権者が新都知事に臨む政策は、医療・福祉、経済・雇用、エネルギーの順であったと思います。

政治は宗教でも思想でもない以上、有権者のニーズにいかに的確に応えるかということが必要なのであり、その手法と実現力で支持を仰ぐべきなのは当たり前のことです。

その点で舛添氏が他候補を凌駕するとともに、二元代表制の一方である都議会議員の多数が支持し、自民・公明が組織をフル回転させた結果がこの勝利です。選挙は科学なのであってギャンブルではありません。「当選すれば誰でもよい」のではありませんが「当選しなければ意味がない」のも事実であって、この狭間で政党はいつも思い悩んでおります。

しかし、日頃「民主主義」を標榜する一部のメディアが、自分たちが内心支持していた候補が当選しなかったからといってこの結果を批判するのには違和感を覚えます。

選挙戦最終日は16年振りの大雪、立川駅や浅草雷門での街頭演説は吹雪の中で行われたのですが、大勢の方が最後まで聞いて下さり、本当に有り難く思ったことでした。

新都知事には、政権と都議会と緊密に連携し、選挙時の公約を着実に実現していただくよう、心より期待しております。

火曜日二月十一日は建国記念の日、昨年は党務出張の為行けなかった地元鳥取市の聖(ひじり)神社で毎年行われる建国記念式典に二年ぶりに参加致しました。

初めて参加した二十五年ぐらい前も参加者中最年少でしたが、今も三十人ぐらいの参加者のうち下から数えて二番目か三番目。もっと若い方々にも参加して頂きたいのですが、そもそも式典があること自体ほとんど知られていないように思われます。

祭典、式典、祝賀の宴という順序で行われ、式典では紀元節唱歌を斉唱し、聖寿万歳で締めくくります。

随分と以前にも当欄に記したのですが、今ではほとんど誰も歌わなくなった紀元節唱歌は、とても美しい歌詞とメロディーで私は大好きです。You Tubeでお聴きいただけますので、是非ご試聴下さい。

「建国記念の式典を政府主催で行うことを検討する」というのが直近の国政選挙における自民党の公約ですが、陛下のご臨席を仰げるのか、形式をどのようにするかなど、なお議論を尽くす必要があります。

今週読んだ論考の中では、中央公論三月号掲載のフランシス・フクヤマ氏へのロングインタビュー、山崎正和氏の「靖国参拝の何が問題かー近代国家と個人の価値観」、田原総一朗氏の連載「日本人にとって天皇とは何か」第二十七回「日米戦争回避を願った昭和天皇」、を特に興味深く読みました。

本日二月十四日は製菓会社の策謀(?)が見事に功を奏し、日本中に定着した一日です。

1969(昭和四十四年)年のこの日、当時私が通っていた鳥取の小学校で突如としてチョコレートが飛び交う光景が展開され、六年生だった私は何が何だかわからずにただただ困惑していたことをよく覚えております。

その後高校生、大学生、社会人となり、「本命の彼女から貰えるかどうか」をひたすら気にしていた頃を、遠い日の甘くて切ない記憶として懐かしく思い出します。

週末は地元の特定郵便局長会に九年ぶりに出席のため、土曜日に帰郷の予定です。

日曜日は立憲主義をはじめ、もう一度知識を再整理する時間に充てたいと思っております。

都知事選も終わり、久々に少し余裕のある日々が戻ってきたようですが、これもつかの間のことなのかも知れません。

二週続けて雪模様の週末となりそうです。お元気でお過ごしくださいませ。

(2014年2月14日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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