三笠宮崇仁親王殿下薨去など

寒さに向かいます折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

石破 茂 です。

昨27日、三笠宮崇仁親王殿下が薨去なさいました。謹んで哀悼の意を表します。

100歳というご長寿でしたが、三笠宮親王殿下の皇位継承の現実性はさておき、これで皇位を継承できる男性皇族はお四方となり、皇室の安定的な継続を真剣に考える必要性がさらに増したように思います。

一昨日、大切な友人であった小坂憲次元文部科学大臣のご葬儀が東京・青山斎場で厳かに執り行われました。平日の日中でしたが、本当に大勢の方々が参列され、故人の人柄と交友の広さが偲ばれました。

私、外交評論家の岡本行夫氏、後援会長の塚田元長野市長が弔辞を述べたのですが、本日の当欄の最後に私の弔辞を載せておきますので、ご覧いただければ幸いです。立派な友人のあまりに早すぎる逝去が残念でなりません。

26日木曜日に北陸新幹線舞鶴ルートと山陰新幹線の実現を目指す総決起大会が議員会館で開催され、国会議員連盟会長として挨拶を致しました。

2000年、北陸新幹線や九州新幹線の着工が議論された時、「採算がとれない」「費用対効果が検証されていない」などと散々酷評されたものですが、実際開業してみるとそのようなことはありませんでした。酷評した新聞はそのことを忘れたかのように新幹線開業効果を大きく報じたのではなかったでしょうか。上下分離という社会インフラの本来あるべき費用分担の方式を無視した、意図的な報道であったように思われます。

かつて戦艦大和、青函トンネル、東海道新幹線は「昭和の三大馬鹿査定」と言われたものですが、戦艦大和はともかくとして、青函トンネルも東海道新幹線も、そのような批判を加える人は今は全くおりません。

並行在来線の取り扱いも、「新幹線が欲しければ地元で運営せよ」という姿勢が感じられ、同一営業主体による相乗効果の実現を目指してこれを改めるべきと考えますし、まだまだ課題は山積しています。新幹線については多くの議論がありますが、日本と欧州とでは基本的に交通政策の思想が異なるように思われます。別の機会に改めて論じたいと思います。

週末は、28日金曜日夕刻の文化財地区、避難所、対策本部での被災状況聴き取り。

引き続き、29日土曜日午前中に鳥取県中部における地震の被災地訪問・被災状況聴き取り(倉吉市梨選果場、JA中央本所、東郷選果場)、鳥取県八頭郡森林組合八頭町森林シンポジウムで講演(午後零時半・八東総合運動公園)、自民党鳥取県連街頭演説会(午後1時半・鳥取駅前)、慶應義塾大学法学部 新田 敏研究会創立50周年と先生の金婚式を祝う会(午後5時・ホテルニューオータニ)。

30日日曜日は福井県大飯郡高浜町・おおい町地方創生講演会で講演(午後1時半・JA若狭高浜支店)、舞鶴市「石破代議士を囲む会」で講演と懇親会(午後3時半・ホテルマーレたかた)という日程です。

私が所属していた財産法のゼミナール、新田研究会は、毎週A4の紙1枚のレポート提出が義務付けられるなど、厳しいことで有名でした。当時はワープロもパソコンも無く、とても上手とは言えない(私だけ?)小さな字でびっしり書いたゼミ生たちの出来のよくない(私だけ?)レポートに先生は実に仔細に目を通され、A゜、A、A´からD´、無印(評価に値せず)に至るまでの評点をされた上で、「論点が正確に理解できていない」「ここに論理の飛躍がある」「この論理構成は適切である」などと的確なコメントを加えて下さいました。

提出の2日ぐらい前から、ああでもない、こうでもないと考えて、前夜はほとんど徹夜状態でレポートを書いていましたが、通算成績一番は長野出身の黒岩恵一郎君、私は二番であったように思います。民法の細かい条文などはほとんど忘れてしまいましたが、論理的な思考というものを学ばせて頂いたことは本当に有り難いことでした。久しぶりに先生や先輩、同期、後輩に会えることを楽しみにしています。

寒さに向かいます折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

(2016年10月28日「石破茂オフィシャルブログ」より)

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