大阪の住民投票など

石破 茂 です。大阪の住民投票は、どこまで論点、メリット・デメリット、それに伴うリスクを明確にし、市民が判断できる情報が提供されたのか、いま一つよくわかりません。

石破 茂 です。

大阪の住民投票は、どこまで論点、メリット・デメリット、それに伴うリスクを明確にし、市民が判断できる情報が提供されたのか、いま一つよくわかりません。

維新の会代表が市長、幹事長が知事を務めていながら、「大阪市を廃止しなければ大阪府との二重行政が解消されない」とするのは何故なのか。住民が区長や区議会議員を選ぶ特別区を作って、大阪市の出先機関でしかない区役所から、より住民に身近な特別区に移行が出来たとしても、それで二重行政は構造的に生じなくなるのか。

素朴な疑問は残ったままでしたし、法定選挙費用の規定など、公職選挙法の適用が一部に及んでいないために、宣伝費用が使いたいだけ使えるようなこととなり、資金力で有利・不利が左右されるようなことがあってよいのか、という問題も残されました。

大阪の自民党については、当時多くの議員が当選目当てで維新に移る中、敢えて野党だった自民党に残り、党の政策を訴えて選挙を戦い、大変な苦労を重ねてきたこともまた事実です。大阪の自民党はすべてダメだ、というのは単なる決めつけやレッテル貼りであって、事実とは異なります。

大阪市が存続することになった以上、この枠組みの中で、職員や議員の利益ではなく、市民、府民の利益を第一に考えた改革が早急になされることを、心から願っています。

一昨日の党首討論から、安全保障法制の議論が事実上スタートしました。安全保障法制はガラス細工のように精緻な理論の積み重ねであり、これから丁寧な議論が続けられることになるものと思われます。

同盟関係には「巻き込まれる危険」と「見捨てられる危険」が常に存在しており、これを「同盟のジレンマ」と呼びますが、この理解もまた重要なポイントとなると思われます。

安全保障は感情論ではなく徹底したリアリズムで語られるべきものであり、ご関心のある方は是非、川上高司拓大教授の一連の論考をご参照ください。

前回C-17輸送機について書いたところ、いくつかのご意見をいただきました。

国会では全くと言っていいほどに防衛装備に関する議論が無く、ずっと違和感を持っているのですが、国民の皆様のほうが意識をお持ちなのかもしれませんね。

この点に関しては清谷信一氏の「国防の死角」(PHP刊)に平易な解説が記されています。

今週は衆議院地方創生特別委員会における関連法案の審議に多くの時間を費やしましたため、あまり詳しい内容の記述になりませんでしたことをお詫びいたします。来週中には同関連法案が衆議院を通過するよう、ひきつづき努力していきたいと思っています。

週末は、23日土曜日が「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミット」で挨拶(午前九時・岡山県立美術館)、宮崎謙介衆院議員政経セミナーで講演(午前11時・新都ホテル・京都市)、「データなび」出演(午後9時・NHK・収録)。

24日日曜日がマイナビ就職EXPOにて挨拶(午前11時半・東京ビッグサイト)、鳥取移住フェアで挨拶・知事との対談(午後1時・移住・交流ガーデン・中央区京橋)、自民党鴨川市支部演説会で講演(午後5時・鴨川市民会館)、という日程です。

もう5月も後半、今年もやがて半分近くが過ぎるのですね。

皆様お元気でお過ごしください。

(2015年5月22日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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