石破 茂です。
昨日は沖縄県・名護市長選挙の街頭遊説に立ちました。
発展著しい沖縄県の中にあって、名護市を中心とする北部・やんばる(山原)地域は人口の伸びも、所得も、雇用も今一つといった状況が続いています。国政、県政と一体となった市政を行うことによって現状を打破し、市民の幸せを実現したいと願っています。
普天間基地の移設先として名護市・辺野古を選定したことも、現在の「ワースト」の状態を少しでも改善したいとの意図によるものです。
消費税導入の時と同様、「駄目なものは駄目!」との主張はとても分かりやすいものではありますが、「ではどうするのか」との案が全く示されない、極めて無責任な主張と言わざるを得ません。
「本土から来る人はカネの話ばかりしている」とのご批判もありますが、私たちはカネで人の心が買えるなどと全く思っておりません。ご負担をお願いする以上は、精一杯のご恩返しをすることが当然のことだと思っております。
辺野古に建設される代替施設の規模は普天間基地の42%の規模に縮小され、住宅地の上を飛行するという危険性も除去され、なおかつ「日本全体で負うべき負担は本土もこれを引き受ける」との考えのもと、現在の普天間の機能の相当部分を本土に分散移転するという、現時点で考えられる限りの方途を尽くして実現を図るものです。
尖閣をはじめとするこの地域の安全保障環境を考えた時、日本のみならずアジア太平洋地域の平和と安全のため、沖縄に一定の抑止力は保持しなくてはなりません。
かつて小沢一郎氏は「第七艦隊さえあれば十分だ」と述べましたが、そのように単純なものではありません。抑止力の意味も理解せず、普天間の危険性除去の方途にも言及せず、ただ「駄目なものは駄目!」と主張している方々を見ていると、何とも言い難い気持ちにさせられます。
あと二日、現地と連携して最善を尽くし、市民のご判断を待ちたいと思います。
名護市では「日本の春はここから」をキャッチフレーズに25、26両日に桜祭りが開催されるそうです。
沖縄には年に十回近く行っていますが、一度も公務以外で行ったことはありません。いつの日にか、公務抜きで沖縄に行ける日が来ることを願っています。
東京都知事選挙も間近です。
当欄にも舛添氏支援について様々なご意見が寄せられており、そのすべてを拝読しております。
名護市長選挙も、東京都知事選挙も、あらゆるご批判は選挙の責任者である私が負うべきものです。民主政治が多くの人の利害や意見を調整する営みである以上、「ベスト」でなければ「ベター」を追求する他はありません。
すべての人が納得する「ベスト」などは存在しませんし、政治家は思想家でも哲学家でもないのであって、これが務めなのだと思っております。
週末は、土曜日、日曜日と党大会関連の行事が続きます。
ことのほか寒い週末となりそうです。どうかご自愛くださいませ。
(2014年1月17日の「石破茂ブログ」より転載)