野党連携、学校農業クラブなど

緊張感の喪失は我々政権党にとっても決して好ましいことではありません

石破 茂 です。

今週は淡々と日常の公務や講演、選挙応援などをこなした、忙しいながらも比較的平穏な一週間でした。たまにはこのような日々があってもよいですね。

もっとも、横浜のマンション問題など、にわかには信じ難い事案も発生し、担当部局は大変なことだと思います。耐震偽装事件の教訓は一体何処に行ってしまったのでしょうか。

各国の中でも突出して高い空き家率、中古住宅市場の未成熟、住宅ローンを払い終われば上物(うわもの)の価値はほとんどゼロになるという不思議等々、日本の住宅政策はかなりの見直しが必要です。以前、リチャード・クー氏が「なぜ日本人は幸せを実感できないのか」という観点からこれを論じておられましたが、あれから20年近くが経過しても事態はあまり変わっていないように思われます。

共産党との連携に民主党・岡田代表が前向き、との報道を目にします。

他党のことはよくわかりませんが、「民主党は何故あのような政権しか運営できなかったのか」との反省の無いままに、選挙のみに目を向けた野党連携を模索するのだとすれば、党の自殺行為にも等しいものです。民主党がどのようになってもそれは構いませんが、二大政党による政権交代の緊張感を持った政治というのは日本においては難しいのかもしれません。

今般政権交代が実現したカナダの選挙制度は完全な小選挙区制度を採用しているので単純な比較はできませんが、野にある時こそ政策を磨き、支持を広げる好機なのだということを日本の民主党は忘れてはいないでしょうか。緊張感の喪失は我々政権党にとっても決して好ましいことではありません。

昨22日、前橋市で開催された「日本学校農業クラブ全国大会群馬大会」でミニ講演をして参りました。

全国各地から集まった生徒諸君4千名余、教職員・関係者合わせて5千名の方々が一堂に会した様は壮観で、女子生徒の多さには驚かされました。農業高校進学者は長く低下傾向にあったのですが、近年は生産系の生徒に占める女子生徒の割合は5割に達しているとのこと、そういう時代になったのですね。

TPP合意について批判的なご意見も頂きますし、それに応えるだけの対応をすべきことは当然ですが、一部の「TPPは亡国の道」的な論調そのままのご意見には首を傾げざるを得ません。

付加価値を高め、コストを削減し、宣伝を効果的に行うことによる日本農業の潜在力の発揮が十分に行われているとは思えず、その点も我々の責任と合わせて論じることが不可欠です。

奥野長衛・全中会長がTPP対応について、「カンフル剤ではなく、10年、20年先を考えた投資が必要」「(ガット・ウルグアイラウンド対策の)補助金で田畑の真ん中に施設を建てたが農業はそんなに変わらなかった。そういうお金を要求するつもりはない」と述べておられるのは、まさしく見識というべきでしょう。

本日23日金曜日は閣議・閣議後記者会見の後、宮城県議会議員選挙の街頭演説会並びに個人演説会11か所(多賀城市、塩釜市、石巻市、登米市、栗原市、仙台市青葉区、仙台市泉区)。

24日土曜日は堀井隆彦氏叙勲祝賀会で講演(大津市)。

25日日曜日は中部大志会創立30周年記念式典、倉吉ばえん祭開会式、自民党鳥取県連常任総務会、選挙対策委員会(倉吉市)、「トワイライトエキスプレスでめぐる西日本~美しき山陰を語る」(BS-TBS・18時・収録)という日程です。

「ばえん祭」の「ばえん」というのは鳥取県中部地方の方言で「暴れる」ことを「ばえる」と表現することからきているそうです(「今日はおおばえでしたで」→「今日は(忙しくて)とても大変でしたよ」)。鳥取県でも他の地域ではほとんど使われておらず、語源は不明です。倉吉駅前周辺で開催されますので、お近くの方はどうぞお立ち寄りくださいませ。

今週は平穏ながらも日程が極めて詰まってしまい、とりとめもない記述となりました。ご容赦ください。

皆様、どうかよい週末をお過ごしくださいませ。

(2015年10月23日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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