年男など

齢を重ねて還暦近くともなると、ああこの一年、無事に過ごせてよかったなとしみじみ思います。

石破 茂 です。

明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。新年早々本欄に多くのご意見をお寄せ頂いたことにも心より感謝申し上げます。

元旦以来、いくつもの新年会に出席する機会がありました。当然のことながら「今年は酉年」で始まる挨拶が多いのですが、年男である私は、「そうか、アイツも今年は還暦なのか」と思われたくなくて、なるべくこの話題を避けて挨拶をしています。

もっとも、以前は年が新しくなったことの何が目出度いのかよくわかりませんでしたが、齢を重ねて還暦近くともなると、ああこの一年、無事に過ごせてよかったなとしみじみ思います。いつのまにか今の衆院議員の平均年齢55歳も既に大きく超えてしまい、もはや決して若くはないのだ、日々を大切に生きなくてはと思わされた年明けでした。

お正月は新聞や雑誌に比較的丹念に目が通せる有り難い時期なのですが、四日付の朝日新聞朝刊の「『経済成長』永遠なのか」と題する記事はとても興味深い視点から書かれたものでした。

曰く、「今や数万円で買えるスマホの機能は、25年前であれば遥かに性能の劣るパソコン30万円、テレビ20万円、固定電話10万円、カメラ3万円、全35巻の百科事典20万円、計80万円を超えるものだったが、この便益の飛躍的な向上は国内総生産・GDPというモノサシで測ると、統計上はスマホの8万円に減ることさえある」とした上で、経済成長の持つ意味を問うています。

雑誌「正論」2月号に収録された林景一前駐英大使の「トランプ孤立主義を目覚めさせる日英同盟構想」も、トランプ政権の今後と我が国のとるべき対応を英国の視点から論じたという意味で、とても示唆に富むものでした。同氏の近著「イギリスは明日もしたたか」(悟空出版刊)も是非読んでみたいと思っています。

今朝は地元岩美町網代港での沖合底引き網漁船の新年初出航行事で、底引き網漁船の状況を見る機会がありました。昨年12月14日に、同じ岩美町の田後漁港所属「大豊丸」が松江沖で転覆・沈没し、乗組員9名が遭難するという痛ましい事故があったのですが、同船は船齢30年の老朽船でした。

沖底船許認可隻数329隻のうち200隻が船齢20年を超えているという現状は決して放置できないものですが、1隻あたり5億円はするという高価な船をいかにして建造可能とするのか、効果的・計画的な支援策を早急に講ずる必要があることを、自民党水産基本政策委員長として再認識させられました。

週末は、7日土曜日が岩美町新年挨拶交歓会(午前10時・岩美町中央公民館)、藤井一博鳥取県議新年互礼会(午前11時・水明荘・湯梨浜町)、鳥取県東部歯科医師会新年祝賀会(午後5時半・ホテルモナーク鳥取)、同中部新年祝賀会(午後6時・倉吉シティホテル)。

8日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、自民党鳥取県連選挙対策委員会(午前11時半・米子ワシントンホテル)、あいサポートとっとりフォーラム17で講演(午後1時・米子コンベンションセンター)、という日程です。

あいサポートフォーラムはここ10年近く続けて参加していますが、障碍を持った方々に対する政策について考えることのできる、私にとってはとても貴重な機会です。当選2回の頃、社会福祉政策や医療政策について、自民党の社会部会や、衆議院の社会労働委員会で随分と真剣に学んだのですが、最近は縁遠い分野となってしまいました。このような機会をとても有り難く思っています。

比較的穏やかな年の初めとなりました。皆様、ご健勝にて良い一年をお過ごしくださいませ。

(2017年1月6日「石破茂オフィシャルブログ」より)

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