たまにはテレビを見ないとバカになる

田原総一朗が、若いときに就職先をテレビ局に決めたときに、周りの大人達が「どうしてテレビ局なんかに就職したの? ラジオ局か映画会社にすれば良かったのに」ってすごく言われたらしいんですね。当時はまだテレビが始まったばかりで誰もその後、テレビが大きい影響力を持つなんて想像が出来なかったらしいんです。

田原総一朗が、若いときに就職先をテレビ局に決めたときに、周りの大人達が「どうしてテレビ局なんかに就職したの? ラジオ局か映画会社にすれば良かったのに」ってすごく言われたらしいんですね。当時はまだテレビが始まったばかりで誰もその後、テレビが大きい影響力を持つなんて想像が出来なかったらしいんです。

同じように今ドワンゴやLINEとかに就職したら、親が「どうしてテレビ局や出版社に就職しないの?」って言ってると思うんですね。

そういう現象ってありますよね。

僕がびっくりしているのは、最近の若い人ってすごくお洒落だったりするのに、平気でアニメ好きだったりすることです。僕にとっては「アニメ好き→オタク」でしかなかったのですが、今アニメが好きって別に特別なことでもないんですよね。

あと、「バンドをやる」って今、学校では奨励されているらしいんですよね。確かに考えてみたら、バンドをやるのって仲間が出来るし、音楽の美しさを知ることが出来るし、なるほど学校もオススメするだろうなって気がつきました。

どんどんそういうことって変化していきます。

荻上チキさんが「社会的な身体」という本でこの現象を指摘していました。例えば紙芝居はかつては子供のための低俗なものだったのに、今となっては保護されて図書館なんかで読み聞かせされています。そう、かつて軽く扱われていたモノが年月を経ると「権威」が出てくるんですよね。

昔は「小説を読む」なんて行為はすごく不良っぽいことだったらしいですし、小説家もすごく無茶苦茶だったんですよね。でも今は「小説を読む」ってことはすごく品の良い行為ですし、小説家もあまり儲からない地味な職業です。

映画だってそうですよね。今はもうかなり「お芸術」な印象があるし、「映画を学校で勉強する」っていうことなんて、誰も不思議には感じなくなっています。

ところで、最近は「ラジオを聞いてる」ってちょっとお洒落ですよね。「ネットとかテレビってあんまり見なくて、ラジオばっかり聞いてるんだよね」って言うと、「え、なんかお洒落」って雰囲気になってきました。

たぶん、ラジオがどんどん古くなってきてるから、逆に「お洒落」になってきてるんだと思います。アナログ・レコードがお洒落なのと同じ感じですね。

そして「ついに来た!」と思ったのが、先日、ツイッターで「たまにはテレビを見ないとバカになっちゃうよ」というツイートがTLにあらわれて、そしてそのツイートがすごくたくさんの人にRTされてた、という事実です。

おそらくRTした人たちは「半分冗談」の人たちもいたと思うのですが、たぶん本当にテレビを見る人が減ってきているので、それに対しての「ちょっとした気持ち」なんだと思うんです。

実はうちの娘(25才)って、本当にテレビを見ないし、雑誌を買わないんです。そして自分の部屋でラジオをかけっぱなしにして、iPhoneばっかり触ってるんです。

たぶん、本当に若い10代前半くらいの人にとっては「いやー、ネットばっかりやってたらバカになるから、たまにはテレビでも見なきゃダメだなあ」って感じてるはずなんですよね。

そして「テレビは文化だ。芸術だ」なんて言う人がやがては出てくるんです。

もちろん「たまにはネットやらないとバカになる」って時代もいずれは来るのですが。