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2018年03月21日 21時20分 JST | 更新 2018年03月21日 21時20分 JST

140字の世界で、今日も言葉を紡ぐ。摂食障害と戦うわたしは、明日生きる理由をみつけた

言葉はひとを救う。

食べたい食べたい、怖い怖い食べられない

そんな呪縛にとらわれたかと思えば、食べたくない食べたくない苦しい、でも食べたいという呪縛にとらわれる。

大学一年生の私は、摂食障害と戦っていた。

始まりは中学生の頃。当時所属していた部活で部長やレギュラーを任されていたプレッシャーや、多感な時期の人間関係の悩みに押し潰された私は、拒食症に陥った。誰にも頼れず、自分ひとりですべて抱えてしまった結果だった。

異常な食事制限をし、空腹に快感を覚えるようになった。何もうまくいかない毎日の中で、食事だけはコントロールできているという感覚があった。体重はみるみる減り、ガリガリになり、生理も来なくなった。しかし、私にはその状態が「普通」になっていた。

Getty Images/iStockphoto

その次に待っていたのは、それまでの反動と言わんばかりの過食症だった。食べたくないのに衝動を押さえられず、息が苦しくなるほど胃の中に食べ物を詰め込んでしまう。ひどい罪悪感と焦燥感に駆られ、一日がどんどん無駄になっていく。

過食している自分を見られたくなくて、友達とも会わなくなった。学校も休むようになった。家族ともうまくいかなくなった。泣きながらひとり、暗い部屋で食べ物を詰め込んでいた。

病気のことを話せる「友達」との出会い

しかし、大学生になった私は思った。

「このままじゃ嫌だ」

私も、普通に友達や家族とごはんに行きたい。楽しく食事がしたい。こんなことで苦しみたくない......。

そんな時に目にしたのが、ハフポストに載っていた、野邉まほろさんの記事だった。

過食症を克服したというまほろさんの記事を見て、私は「会ってみたい」と強く思った。今まで、周りのひとに自分の病気のことを話したことがなかった私は、心のどこかで、病気のことを話せる「友達」が欲しかったのかもしれない。

大学一年の春、私はまほろさんに会いに行った。実際に会ったまほろさんは、とてもきらきらしていてかっこよくて、ネガティブな私を前向きにさせてくれるような方だった。病気だったことを悲観的に語らず、むしろ誇りであるかのように語る姿が印象的だった。「誰だって治せるよ」その言葉が、私の背中を押した。

「変わりたい」と、そのとき私は強く思った。

まほろさんと別れたあと、新宿駅でひとり、どうすれば変われるか考えた。何か、自分を変えるきっかけがほしい。私に何ができるだろうか...。

そうして思い付いたのが、Twitterを使った「140字小説」だった。

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身体が弱かった私は、小さい頃から本を読むのが好きだった。そして、密かに自分でノートに小説や詩を書いていた。

摂食障害になってから、大好きだった本が読めなくなり、小説や詩も書けなくなっていた。けれど、いつかもう一度、自分の言葉で文章を書きたいという気持ちはたしかにあった。

そして私は、Twitterで文章を書くことを始めた。

Twitterの文字数制限は140字。ならば、その枠の中で、小説を書き続けるのはどうだろう。毎日、自分の言葉を140字で発信するのはどうだろう。

明日を生きる理由は、身近に転がっている

摂食障害で苦しい時、本なんか読むことができなかった。親の言葉も友達の言葉も、心に入ってこなくなった。

けれど、私を救ってきたのもたしかに、とある本の一行であったり、とある病院の先生の一言であったりと、「言葉」だった。

言葉はひとを救う。

もしどこかで苦しんでいるひとがいたら。140字の言葉なら、長い本より心に入ってきやすいかもしれない。見ず知らずのひとが書いた短い物語のほうが、気軽に読めるかもしれない。ふと見たTwitterで、少しでも心が軽くなるかもしれない...。

そう思った私は、Twitterで、毎日140字小説を投稿することを決意した。どこかで人知れず苦しんでいるひとたちに向けて。そして、苦しみながらも戦っている、自分自身に向けて。

つらくて死にたくてどうしようもないとき、ひとつでも明日を生きる理由があれば、案外生きていけるかもしれない。その明日を生きる理由が、身近に転がっていることを知ってほしい。

そして、実際に行動に移すことを、摂食障害を治す決意をした証とした。

まだ私は摂食障害と戦っている。明日どうなってしまうかもわからない。不安と常に戦っている。けれど、治すんだという決意は、たしかに胸の中にある。

将来の夢は、摂食障害を治して、小説家になることだ。

私は140字の世界で、今日も言葉を紡ぐ。誰かの、そして自分の、明日を生きる理由になるために。


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