12月5日・岐阜県関市・武芸川生涯学習センターホールにて「ジュニアビジネスプランコンテスト決勝大会」(主催:関商工会議所青年部)が開催されました。岐阜県内の高校生を対象に、地域性豊かで斬新なビジネスプランが、1043件寄せられ、事前審査を経て10プランが選出。事前に事務局のプレゼンセミナーを経て、開催されました。
地元の名産「鮎」や「鶏ちゃん」「枝豆」や岐阜県のゆるキャラ「ミナモ」をテーマにしたクッションや寝袋、タオルといった生活に身近な、そして高校生らしい柔軟なアイディアが寄せられる中、YEG会長賞には「岐阜重」(磯崎由奈さん・県立岐阜商業高等学校)、審査員特別賞には「美濃和紙入りの絵の具」(浅野ひまわりさん・県立岐阜総合学園高等学校)が、そして最優秀賞には固形石鹸をセットし、使用したい時に1回分をシート上にカットする「固形石鹸カッター」(則武千晴さん・県立岐阜総合学園高等学校)が選ばれました。
最優秀賞を受賞した則武さんは、液体石鹸に比べて洗浄力が強力な一方で、使用や保管に『めんどくさくね?』と率直に感じる不満を指摘。
濡れて「ぶよぶよ」していく問題
使った後、戻すのが面倒な問題
(大浴場などで)前に誰が使ったのかわからない問題
・・・これらを、関市の地場産業である刃物技術を活かし、一回ごとにスライスする装置のを作っては?という提案。
(申請資料より)
このビジネスプランコンテストの特徴は、商工会議所青年部に所属する地元事業者の方々が単にアイディアプレゼンテーションだけに終わらせず、実際に商品化を目指して、実際に取り組みを進めていくこと。今後と連携した実際の商品化が期待されます。
さて昨今、日本の若者の「挑戦心の低さ」や「起業・独立意欲の低さ」を問題視される指摘も多いですよね。
2010~14年に各国の研究者が実施した『世界価値観調査』では、「新しいアイディアを思いつき、クリエーティブであることを大切にしている」と「冒険してリスクを冒すこと、刺激のある生活を大切にしている」という項目について、自分が当てはまるかどうかを聞いている。(中略)
クリエーティブ志向の肯定率は、日本が50.9%、アメリカが73.9%となっている。冒険志向はもっと差が大きく、両国では倍以上の開きがある(日本23.1%、アメリカ55.8%)。あくまで自己評定の結果ではあるが、日本はアメリカに比べて若者のクリエーティブ志向や冒険志向が低い。世間でよく言われることと合致している。
(世界一「チャレンジしない」日本の20代~意識調査によるクリエーティブ志向・冒険志向の比率は断トツで世界最低・ニューズウィークジャパン 12月1日)
そんな中、昨年実施された本コンテストでは、岐阜県内の高校生より789ものプランが集まりうち事前審査を経た10プランの中から、前回グランプリとなったビジネスアイディアは「お魚かばん」(岐阜総合学園・岩田悠子さん)。岐阜特産の鮎をテーマにした「キモかわいい」かばん。クラウドファンディングを通じて90名超から110万円を越える支援を集め、商品化されネットショップや地元で販売されています。
テレビや新聞などかなりのメディアで取り上げられ、注目を集めるこの取組み。
人口減少がはじまり、すでに生産年齢人口の縮小が続くいま。中小企業白書によれば直近で年間約10万事業所が減っていく現在。
そんな中で、こうして高校生の段階から様々なアイディアを自分達で生み出し、地域にある資源や魅力に着目し、そして実際に商品化されていく機会の創出は、地道なようで何より地域活性化に直結する近道なのかもしれません。
秋元祥治・公式ブログ http://akimotoshoji.blog.jp より