22%を超える人がインターネットで選挙に意思表示をすることが、ネット選挙の可能性

さまざまな意思表示があり、そしてそこから議論や意見の深化が生まれ、熟議の民主主義が育っていく可能性が、インターネット選挙の面白さじゃないかと思うのです。
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インターネット選挙が、昨年夏の参議院選挙で解禁になって、二度目の国政選挙となっている今回の衆議院選。

▼インターネット選挙の解禁

インターネット選挙解禁を通じて有権者は、ホームページやブログ、フェイスブックなどでの意思や意見の表明ができるようになったし、ツイッターなどでのRTもOK。ただし、電子メールでの送付・転送や、未成年はネット上でも選挙活動はNGだ。ネット上の画像や文章を出力したものを配れば、これはネット選挙と関係なく、普通に文書違反でやはりNGとなる。

ちなみに、ネット選挙解禁と聞いてWEB上で投票できるのでは?との勘違いもあるようだけれど、それはできません。インターネットを活用した「選挙運動」の解禁、ということなわけです。

▼ネット選挙解禁の意味はなにか

インターネット選挙の意味や意義はどこにあるのか、という議論があるが、僕は最も大きな価値の一つは普通の一人ひとりの有権者が、自身の意思を表明することが少しずつ、しかし確実に生まれていることにあるのではないかと思う。自身の投票行動について、理由とともにブログで意思表示をする人もいれば、子育てママが自身の思いと投票意思を指名しているフェイスブックの投稿も目にした。実際に、22%を超えるひとが、選挙関連での意思表示をおこなう、と答えている。

これまで政治的なことを表明することが憚られる感覚を持つ人も多い中で、この数字はずいぶんと多いように感じるんですね。

インターネットを使った選挙活動が解禁された今回の衆院選をめぐり、民間会社の意向調査に、8割近い有権者が「選挙関連の発信はしない」と回答した。一般の有権者がツイッターやフェイスブック(FB)で特定の候補者や政党を支援できることになっている(中略)

調査したのはネット上の危機管理を請け負う「エルテス」(東京)。11月下旬、20~60代の有権者1090人にアンケート(一部重複回答あり)した。

ツイッターやFB、ブログなどのソーシャルメディアを利用し「選挙関連で発信するか」という質問に、「発信しない」または「利用していない」との回答が計77・4%。情報発信する人は、ツイッター13・7%▽FB11・9%▽ブログ7・6%-という結果だった。(産経新聞 12月9日)

この記事、8割近い人びとはしない、、、って書き方だけれど、逆に言えば22%を超える人々はインターネットを通じ、選挙に対しての意思表示や情報発信をしている、ということ。

フェイスブックやツイッターなどをみると、多様なひとびとが遠慮がちに、しかしはっきりと自身の意思表示をし始めていることが、インターネット選挙の可能性だと考える。これまで、2割を超える人が政治や選挙に対して広く意思表示をしたことなんてなかったわけで。

こうしてそれぞれが考えを述べあっていく中で、民主主義が深化していくことを期待しているし、着実にそうなっていると思う。さまざまな意思表示があり、そしてそこから議論や意見の深化が生まれ、熟議の民主主義が育っていく可能性が、インターネット選挙の面白さじゃないかと思うのです。

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