中小企業よ、ターゲットを絞ると市場が広がるんだ。

ここ数日フェイスブックのタイムラインを眺めているだけでも、地域の中小企業が工夫をこらした商品がいっぱいあるので、それをもとに考えてみたいと思うのです。

地域の中小企業がいかに売上を上げていくか、その一つの重要な方法はターゲットをギュッと絞り、利用シーンを具体的に提案していくことだと思う。

ここ数日フェイスブックのタイムラインを眺めているだけでも、そんな注目の商品がいっぱいあるので、ちょっと紹介・考えてみたいと思うのです。

1.ピアニスト専用「ジャズ羊羹」

こちらは、湯布院の小さなセレクトショップが市場投入している羊羹。

ネット上ですでに結構バズって話題の商品となっているようですね。

(お写真はサイト http://www.jazz-youkan.com から)

ジャズにあう羊羹、ということで開発されたというこの商品。見た目はもちろんですが、味もこだわりの様子。なんと、1棹(羊羹は1本じゃなく、こう呼ぶのです)で2,160円。それでも、全国からの注文も多いようですし、サイトをみるとフジテレビ「めざましテレビ」、Yahoo!ニュース(12/18掲載)、 雑誌「月刊ピアノ12月号」ほか、かなりメディアにもすでに注目されている様子。

もちろん、ジャズを聞きながらというのも良いでしょうし、ピアノに取り組んでいる人や、ピアノ好きへの贈り物としてもすごーく喜ばれるでしょうね。言わば「ピアニスト専用」って言っても良いと思うのです。

2.クリスマス専用「天草焼酎」

クリスマスのアルコールといえば、シャンパン。

にも関わらず、クリスマスに焼酎を提案し販売展開をしていくとしたらどうします?

熊本県天草市にある天草酒造さんが、島内限定で販売しているのがこのクリスマス専用焼酎。

島外向けの販売をしていないということでしたが、フェイスブックで見かけてお願いをし、2本購入をさせていただきました。実は天草は「世界サンタクロース会議」を行っている、サンタクロースの聖地、でもあるようです。(第三回世界サンタクロース会議in天草の公式WEBサイト まであるのです)

ラベルから、サンタ帽までこだわっての作りこみ。実際に、多くの引き合いがあるこの時期の人気商品となっているようです。

3.登山専用「コーヒーバッグ」

考えてみると、ありそうでなかった商品。よく登山した先の小川の清流でいれたコーヒーが美味いとか、雪で割ったウイスキーが美味いって言うじゃないないですか。そんなシーンにターゲットを絞り込んだこの商品が面白いんですよね。

colocalの記事で特集されていたこの商品。

普通のドリップパッグだっていいじゃん!って声が聞こえてきそうですが、ドリップバッグでなく、ティーバッグ方式で気軽にコーヒーを入れられるという便利なもの。

登山専用というシーンをご提案することで、新たな需要を掘り起こせるし、あるいは今後登山関連用品の販売店なんかも販路として狙っていけますよね。

4.猫・犬ファン専用「肉球羽二重餅」

OKa-Bizでサポートさせていただいた、老舗和菓子屋「小野玉川堂」さん(岡崎市)が、昨年秋に市場投入して以来、1年以上にわたって発売日には決まって完売するというこの商品。ヤフーニュースやLINEニュースはじめさまざまなネット媒体で取り上げられて、またたくまに全国のの犬猫ファンの注目の的に。この商品(2個セット300円)をキッカケに小野玉川堂のファンになった方も多く、ほとんどいなかった20代のお客さんもこの商品をきっかけに急増したとのこと。

若者と和菓子、というと一見ミスマッチに見えても、よりターゲットをしぼった展開が、新たな支持を引き寄せたといえそうです。

地域の会社の魅力ある技術や商材も、

ターゲットを絞り利用シーンを提案していくことで

新たな販路を開拓し、情報発信力もぐっと強化される

わけです。

地域の会社のこうした取り組み、引き続き注目していきたいと思います。

秋元祥治

NPO法人G-net代表理事・滋賀大学客員准教授・OKa-Bizセンター長

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