元バイトAKBが考えたAED×ミュージックビデオ

元バイトAKBであった強みを活かし、多くの人へ届けられるよう「歌」と「ダンス」というエンタメの力を存分に発揮し、AEDの重要性や使い方を発信している。

AED(自動体外式除細動器)。

誰もが一度は聞いたことのある言葉だろう。

スポーツ施設内のAEDが移動されており、サッカー選手の松田直樹選手がAEDの到着が間に合わず亡くなったことや、2005年に開催された愛知万博では、300メートルごとにAEDを計100台以上設置し、半年間の場内心停止者3人を全員救助したという情報も多くの人の記憶に新しいかもしれない。

しかし、AEDの使用率は3.6%と大変低い。

1年に2万5469人が心停止(心臓が有効な循環を保てなくなっている状態。心停止になると、血液が流れなくなる)に陥っている中

たったの907件しか使用されていないことになる。

また、心停止からAED使用までの時間が、救急車到着平均7.9分後であると

救急隊が措置を行っても生存退院率は20%までダウンしてしまう。

さらに、心停止からAED使用までの時間が30分を経過すると、もう医師の手では助けられなくなってしまうのである。

(AHA 心臓蘇生救急心血管治療のための国際ガイドライン2000より)

つまり、その場に居合わせた私たちが行動しないと、尊い命は助からないのである。

そんな重要な役割を果たすAED。

なぜ、使われないのか。

ハードな面では、設置台数が少なかったり、置いてある場所のわかりずらさ、AED自体の不具合など管理状況があげられる。

また、ソフトな面では、使い方を認知していなかったり、いざ使用する際の勇気が出せないというのがある。

そんな中、AEDの認知を広め、多くの人に使ってもらい、一人でも多くの命を救えるよう取り組んでいる人がいる。

川口真実さん(21歳)

彼女は、国民的アイドルグループAKB48の運営会社、株式会社AKSとアルバイト求人情報サイト「バイトル」のタイアップ企画で行われた元バイトAKBのメンバーとして活躍をしていた。

そんな彼女は、大学の看護学部のカリキュラムで「突然死とAEDの利用実態」を学んだことをキッカケに、「救えるはずの命」を多くしたいと考え、『使おう♡AEDプロジェクト』をスタート。

AEDは「いざというときには自分が使う!」という認識を持ってもらえないという課題がある。

そんな中、AED使用率を上げるには、もっとAEDが身近になることが必要だ。そして、そこに楽しめる仕掛けを作ることで、多くの人が関心を持ってくれるはずだ。と川口さんは考えた。

そして、元バイトAKBであった強みを活かし、多くの人へ届けられるよう「歌」と「ダンス」というエンタメの力を存分に発揮し、AEDの重要性や使い方を発信している。

『使おう♡AEDプロジェクト』動画

この、『使おう♡AEDプロジェクト』動画では、「開けて、貼って、スイッチ押すだけ」を合言葉に、覚えやすく、つい口ずさんでしまうメロディーが印象的である。また、作詞は川口さん自身が担当しており、彼女の想いが伝わってくる。

東急ハンズ渋谷店、SHIBUYA109などAEDが設置されている21箇所で撮影をしたとともに、プリティ長嶋、長谷部健渋谷区長、蝶野正洋、振付を担当する日出郎、箭内道彦など総勢17名のゲストも出演。

彼らのメッセージも動画の最後に収録されており必見!

川口さんは、このようにメッセージを送る。

「目の前で突然、人が倒れたらその命を助けるのはあなたです。その時に必要になるAED。実はとても簡単な操作で使うことができるのに、認知度、使用率がまだまだ低く、惜しくもAEDが使用されないまま亡くなる方がたくさんいます。助かるはずの命を救うために、身近な街のAEDの存在を知ってもらうことがひとつのきっかけになればと思い、この動画を世の中に広めたいと思っています。動画を見て、シェアして頂くことで、突然死で悲しむ人を減らしたいです。応援をよろしくお願いします。」

一人でも多くの命が救われるよう

彼女の取り組みは始まったばかりである。

『使おう♡AEDプロジェクト』動画

【Twitter】@kawaguchiaed

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