「表現の自由」すらも狡猾に奪い取る、軽減税率の存在がやっぱりヤバ過ぎる

軽減税率は、どう考えても最悪の選択肢と言わざるを得ません。

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

ブログには書きそびれていましたが、年末は再びコミケ会場にお邪魔して、山田太郎参議院議員(&いとう陽平区議)とともに表現の自由を訴えて参りました。

前回記事:ブロガー議員が冬のコミケに参戦して、表現の自由を訴えてみた

年末から現在にかけて、コミケなどの創作活動界隈で話題になっているのは、私も何度か問題ある政策として取り上げている「軽減税率」です。

消費税関連の政策なのに、どうして表現の自由と関係が...?

と思う方もいらっしゃるかもしれません。現在、新聞に引き続き出版業界も「活字文化を支える出版物は、生活必需品で軽減税率の対象とすべし!」

という主張を行っておりまして、ここに重大な争点が存在します。

【軽減税率】有害図書、出版業界で線引きを 菅官房長官

「活字文化を支える」ような出版物の税金は安くしても良いけど、例えばエロ小説やポルノ雑誌などは文化を支える必需品ではなく、軽減税率の対象とするのは相応しくない!というわけです。

じゃあ、その線引は誰がするの??

書籍・雑誌はポルノ雑誌などを対象から排除する仕組みが課題となっており、菅氏は「線引きは業界の中で決めていただく。政府が決めると表現の自由の問題が生じる」と述べた。

(上記リンク記事より)

...さらりと述べてますが、これは大問題ですよ奥さんっ!!(何者?)

出版業界に線引させるなどということが、現実的にできるはずがありません。

現在、各都道府県などで「有害図書」「不健全図書」などの指定が行われておりまして、こうした基準が「自主規制」の一定のガイドラインとなる可能性が高いです。

となれば結局、行政や為政者が定めた「有害」で「不健全」な出版物に重税がかかり、実質的には世の中に流通することが難しくなります。

しかしそれは建前上、出版業界の「自主規制」≒表現の自由は侵害してないと政府は主張するという...

そして、主に未成年対象でエロや暴力に限られる「不健全図書」に対して、全年齢が対象となる「有害図書」の範囲は曖昧かつ広範囲です。

「政府の方針に否定的な表現をする出版物は、反社会的な有害図書だ!」

というロジックも成り立つわけで、中国共産党ばりに政府に否定的な表現を抹殺することすら可能になるかもしれません。

まさしく、自主規制という皮を被った間接的な「表現の自由の侵害」です。

げに恐ろしきは、為政者の意のままに操れる軽減税率という制度です。

新聞のジャーナリズムを骨抜きにしたことに引き続き、次は出版業界に対しても軽減適用というアメを与え、出版物を政府のコントロール下に置こうとしています。

不況にあえぐ出版業界が、軽減税率適用というアメを拒否することは難しいでしょう。

せっせと政府や行政の意のままに「有害図書」を指定して流通から排除し、その他における軽減適用を乞い続けるのではないでしょうか。

税制でインセンティブを与えて市場を誘導していくことは、大なり小なり国家の行うことであるとはいえ...これほど歪んだ企みを可能とする

軽減税率は、どう考えても最悪の選択肢と言わざるを得ません。

今国会は本当に野党の正念場です。

軽減税率の導入の撤廃、あるいは消費増税自体の延期・凍結に持ち込めるよう、私も引き続き問題提起と世論喚起に努めて行きたいと思います。

この分野については第一人者である、山田太郎議員のHPもご参照いただけると幸いです。

「激論!クロスファイア」での菅官房長官の軽減税率による有害図書発言-全文

それでは、また明日。

(2016年1月6日 「おときた駿ブログ」より転載)

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