こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
都議会には常設されている常任委員会の他に、「オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会」というものが文字通り特設されておりまして、今月から上田都議に替わって私が委員を拝命しました(おおむね1年交代)。
その名の通り、東京五輪に関わる諸問題を取り扱い、議論・質疑する委員会です。
今回はオリンピック会場3施設の見直しがテーマ...かと思ったマスコミが大勢詰めかけていたのですが、残念ながら本日の議題は8月に決定した追加5種目についてのみでした。
五輪全般をテーマとした委員会ではあるものの、その都度取り扱うテーマは厳密に決められています。3施設の見直しについてはあくまで都政改革本部が提案した段階に留まり、執行機関である都として質疑応答に耐えられる状況ではないため、こちらに対しての議論は来月の委員会で行われる予定です。
...このあたりが議会・委員会が「決まったことについてしか議論をしてないじゃないか!」と言われる理由なのですが、現在のように目まぐるしく状況が変わる状況ではタイミングが難しいのも事実です。
やはり議会は年4回の開会ではなく、「通年議会」として開きっぱなしにしておくべきだと改めて感じる次第です。
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話は戻りまして、今回のテーマは追加5種目とその会場について。
○野球・ソフトボール(横浜スタジアム)
○空手(日本武道館)
○スケートボード(青海に仮設会場を建設)
○スポーツクライミング(スケートボートと共用)
○サーフィン(千葉県釣ヶ崎海岸)
の5種目でして、競技会場も方向性としてはほぼ決定しました。質疑の中では野球・ソフトボール、そしてサーフィンについて、都内から多くの要望があったにも関わらず都外施設が選定されたことに多くの質問が集中しました。
交通アクセスや会場のスペック・改修にかかる費用面などで、都外になってしまうのは仕方のない面もありますが、大会の成功とコストダウンに向けての舵取りを注視していきたいところです。
さて、私が質問をしたのはそれに比べるとニッチな部分で、青海に新設される仮設会場。オリンピック競技場というと、例えばプールであれば水深やコース幅などのスペック、そして観客席は○○席以上と目安となる規定が存在します。
ではこの追加2種目の場合はどうでしょう?
「スケートボート・スポーツクライミングはオリンピックで初めて実施される競技なので、そうした規定は存在しない」
との答弁でした。ここ、重要ですね。ではどうやって、仮設会場の規模・スペックを決めていくのか?
「過去の国際大会の実績を参考に、関係団体と協議をしながら五輪組織委が決定する」
はい、すっかりおなじみになった五輪組織委が決めるわけですね。今のところは仮設会場の費用負担は五輪組織委ということになっていますから。
ところが「今のところは」と前提をつけさせてもらった通り、この費用負担は都の負担になるとの案も浮上しており、どうなるかまったく見通しがつきません。
そして繰り返し述べておりますが、五輪組織委の財源が負担した場合、まずそれを補填するのは開催都市(東京都)であると立候補ファイルに定められており、五輪組織委が財源不足に陥ることはほぼ確実です。
となればこの新設される仮設会場についても当然に、都がリーダーシップ・主導権を取っていくべきではないかと思います。
特に規模が規定されていない会場については、「関係者の意見」を調整した結果オーバースペックになるということが発生しがちですから、管理監督体制を強めていくことが重要になるでしょう。
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都政改革本部の上山教授も指摘する通り、東京五輪に責任者がいなかったことが問題になっています。
こうした新設仮設会場のような財源と責任が不一致な状態を見るにつけ、やはり現在の都・組織委・JOCの上下関係が不明瞭であり、調整会議が機能しない現状は是正していく必要があるように感じます。
参考:「東京五輪に責任者はいなかった」都政改革ブレーンに聞く
五輪組織委を都の管理団体とし、指揮命令系統下に置く流れが実現するよう、引き続き提言を続けていきます。
それでは、また明日。
(2016年10月11日「おときた駿オフィシャルブログ」より転載)