組織票で乗っ取られる危険性?!投票数が四千票余りだった「都民による事業提案制度」の課題

都民をもっと巻き込む仕組み作りが必須といえます。

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

年明けから都庁では知事査定による予算策定プロセスが進んでいるわけですが、これまで何度かブログでも取り上げてきた「都民による事業提案制度」で9件・約8億5千万円分の採用が決定されたようです。

まだ財務局公式サイトでは発表されていないものの(私が発見できないだけ?)、最多得票の自転車整備新事業や、不妊治療体制を整備した企業に奨励金を出す事業などが採用されたとのこと。

otokita

過去記事:

ただ気になるのが、18歳以上の都民を対象とした「ネット投票」の投票数です。

東京新聞の記事によると、投票総数は4,185票で、最多得票を獲得した自転車整備事業でも851票の得票しかないようです。

...うーん。。これだと、ちょっと気合を入れて組織票を動かせば予算を獲得できるレベルです。

本事業には「一部の都民の声だけで予算を決めて良いのか?!」との批判が当初よりありました。

18歳以上の有権者は約1100万人ですから、投票率にしてわずか0.037%程度。実際の選挙よりずっと敷居の低い「ネット投票」ができたにもかかわらず...です。

もちろん投票結果は政策決定における1つのファクターであったとしても、これで10億円近い予算が決定されてしまうことには、懸念を感じる人が多いでしょう。

ただ、私は当初からこの「オープンガバメント」を目指す試み自体には非常に肯定的です。投票の輪が広がらなかったことは残念であり、私自身ももっと周知に力をいれるべきだったと反省しています。

今回の投票数の結果は真摯に受け止め、次年度以降に拡大するためには、都民をもっと巻き込む仕組み作りが必須といえます。

もちろん、今回採用された事業が効果を発揮することも何より重要ですので、2月以降の議会でしっかりと採用された事業の中身や金額についても精査していきたいと思います。

それでは、また明日。

(2017年1月15日「東京都議会議員おときた駿公式サイト」より転載)

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