「23区格差」で見事最下位扱いの東京都北区、名称の変更は現実的にありえるか?

23区中23位という知名度の低さ、各種データ下位グループの状況を打ち破るため、地元北区でも様々な調査と議論を喚起していきたいところです。

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

私も以前から東京都23区には「南北格差がある」と指摘してきましたが、そのものズバリのタイトル「23区格差」がベストセラーとなっています。

都市工学を専門とし、「東京都23区研究所」の所長を務める筆者が、圧倒的なデータ分析を元に23区の実情を斬りまくる本書。

住民所得・学歴職歴・福祉事情や安全面や人口動態などを総合的に勘案し、23区をA~Dランクに残酷に切り分けたその結果におきまして、

私の地元である東京都北区は...

安定のDランク!

しかも書き方的にはもう、23区中の最下位!

※明確に順位が書いてあるわけではありませんが、順番や内容的に...

●小中学生の子どもの数が激減している

●2005年~2014年の人口増加率で最下位(人口はもはやピーク時の74%...)

●高齢化率No1かつ、高齢者の就労率が最下位(ほとんどの高齢者が働いていない!)

●充員の所得・学齢・職歴などでいずれに下位グループで、地価も低い...

とまあ厳しいデータのオンパレードで、なんとか及第点と言えるのは(未就学児の)子育て支援・治安・防災面あたりといった状況でした。。

厳しいですが、肌で感じているものと相違ない結果であると言えます。

ここから現実を見据えて立て直しをしていかなければいません。

数々の問題を解決するのはもちろん、一朝一夕には行きませんけど、本書の第4章「23区の通信簿」の中で、北区の書き出しはズバリこうなっています。

「北区は名前で損をしている」

...北区民の誰もが感じているこの悩み!

実際にデータで見ると、全国に「北区」という名前が付いた行政区は12ヶ所あり、これは「南区」13ヶ所に次いで二番目に多い数値です。五十歩百歩だけど...。

そして全国に存在する「北区」の中でも東京都北区は、梅田を有する大阪市北区にその知名度で劣っていると言わざるを得ません。

参考:【悲報】北区が堂々の1位!実はどこにあるかわからない東京23区ランキング

たかが名前、されど名前。

子育て支援や教育環境の充実、交通アクセスの良さなど、北区が「中の上」にまで登りつめる可能性は十分にあるとしながらも、筆者はブランドイメージの低下を招く「名前」に重要な課題があるとしています。

では実際問題、「北区」という名称を変更することは可能なのでしょうか?

気になったので調べて見たところ、地方自治法にその規定がありました。

地方自治法第三条

第一項 地方公共団体の名称は、従来の名称による。

第二項 都道府県の名称を変更しようとするときは、法律でこれを定める。

第三項 都道府県以外の地方公共団体の名称を変更しようとするときは、この法律に特別の定めのあるものを除くほか、条例でこれを定める。

第四項 地方公共団体の長は、前項の規定により当該地方公共団体の名称を変更しようとするときは、あらかじめ都道府県知事に協議しなければならない。

第四項で「都道府県知事との事前協議が必要」とあるものの、

地方自治体が独自に定める条例によってこれを変更することはできるようです。

つまり、区議会で議決されれば可能性はある!ということですね。

ちなみに都道府県の場合は、「法律でこれを定める」となっているので、

東京都がどれだけ名称を変えるために都議会で審議しても不可能です。

国会で、国会議員に法律を変えてもらう必要があります。

ということで、

「やっぱり飛鳥区にしておけば良かったんだよ...」

※かつての議論の中で、飛鳥区が有力候補だったという説がある

という声も聞こえる我が北区ですが、名称変更というドラスティックな改革も一手かもしれません。

もちろん、長年使用してきたこの名称に愛着が多い方は多いでしょうし、そもそも名前を変えたくらいで根本的な解決にはならねーよ!

という批判の声も強いでしょう。

ただ、頭の体操としては考えてみる余地がありそうな気がします。

23区中23位という知名度の低さ、各種データ下位グループの状況を打ち破るため、地元北区でも様々な調査と議論を喚起していきたいところです。

北区民の皆さまも、様々な声をお寄せ下さい。

区議会の斉藤りえとともに取り組んでいく所存です。

それでは、また明日。

(2015年12月27日「おときた駿公式ブログ」より転載)

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