豊洲市場からケタ違いのベンゼン等が検出されるも、結果は極めて不可解。現時点での判断は控えて静観すべき

最大でベンゼンが基準値の79倍というのですから、驚きを隠せません。

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

本日は小池百合子政経塾「希望の塾」が行われていましたが、日中に飛び込んできたニュースでてんやわんやな状態でした。

ベンゼン基準の79倍 シアン、ヒ素も 豊洲市場の地下水調査で検出 専門家会議再調査 3月に結果報告へ

最終となる9回目の地下水モニタリング調査にて、201箇所中72箇所で環境基準値を上回る有害物質が検出。最大でベンゼンが基準値の79倍というのですから、驚きを隠せません。

1回目~7回目までの調査では、いずれの地点でも環境基準を上回る物質は検出されず、その時点でもはや残り2回の調査は「統計的にはほとんど意味がない」とまで言われていました。

ところが8回目の調査で、合計3箇所から環境基準値を僅かに上回るベンゼン・ヒ素が検出。そしてさらに今回、それとは比べ物にならない値が出たことは、にわかには信じがたい事態です。

インパクトのある数字が公表されたことで、マスコミ報道が加熱することは避けられないかと思いますが、いくつか重要なポイントは抑えておきたいと思います。

  • あまりにもこれまでのトレンドからかけ離れた今回の数値には、強い疑義がある
  • そのため専門家会議も「暫定値」と位置づけ、調査方法の検証や再検査を行うことになっている
  • 地下水から大きな数値が検出されてもなお、建物内などの大気中の数字はすべて正常値

今日の専門家会議に出席した方からデータをいただきましたが、グラフで変化を見るとこのような感じです。

多くの地点で、ありえない角度でグラフが急上昇しているのがわかります。調査によっては「異常値」として排除される可能性すらある数値です。

専門家会議の委員たちも口を揃えて「考えづらい」「前例がない」と述べており、現時点ではこの数字の妥当性そのものが検証できないこと、あくまで暫定値として再調査をすることなどを明言しています。

そして地下水にこれだけの数字が出ているにもかかわらず、相変わらず肝心要の市場内の大気に影響は生じていません(地下水は飲水ではないので、大気中に有害物質が拡散しない限り大丈夫)。

やはり今回の地下水の数字がおかしいか、そうでなければ有害物質の封じ込めには成功しているということになります。

いずれにせよ、調査結果そのものに疑義がある状態であり、3月までに複数の機関による再調査を行うとのことですから、まずはそれを待つしかありません。

最後に、前回からの変更点についても整理しておきましょう。

第8回調査から変わった点の一つは、地下水管理システムの稼働です。排水ポンプ等の活動により、地下水になんらかの影響が生じた可能性はあります。

しかしそれならば平田座長も指摘するように、地下水管理システムがモニタリングしている排水の数値にも変化が現れるはずであり、そちらが無反応であることに説明がつきません。

もう一つは、時事通信などの一部報道によると、調査会社が今回から変更されているという点です。

継続調査であるにもかかわらず、なぜここで調査会社が変わったのか、それにより調査過程に影響が生じてないのかどうか、入念に確認する必要があります。

こちらについては週明け早々にも、担当局に私から問い合わせをするつもりです。

繰り返しになりますが、今回の数字を持って豊洲市場の危険性や移転の可否について論じるのは早計です。あまりにもイレギュラーな数字ですから、まずは追加の調査結果を冷静に待つ必要があります。

何か新たな情報が分かり次第、私もブログやSNSにて随時ご報告していきます。

不確定要素が増えてしまったことは確かですが、引き続き食の安全と市場問題の解決に向けて、前向きな対応が行われいくために尽力して参ります。

それでは、また明日。

(2017年1月14日「おときた駿オフィシャルブログ」より転載)

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