英語のリスニング能力を向上させたいなら、"ディクテーション"を徹底的にやるべし

これまで2回書いてきました、英語の学習方法に関するシリーズ。今回はその第3回め、「リスニングの勉強法」について書きます。いずれも個人の経験則によるものですが、ご参考になれば幸いです。

こんにちは!シックス・アパートにっくです。

これまで2回書いてきました、英語の学習方法に関するシリーズ。今回はその第3回め、「リスニングの勉強法」について書きます。いずれも個人の経験則によるものですが、ご参考になれば幸いです。

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Photo Credit: Julia Marvin via Compfightcc

原文 (できれば日本語訳も) が存在する素材を選ぶ

リスニング(ヒアリング)の勉強を行うにあたって、個人的に「重要だな」と感じたのは「英語の原文のテキストが存在する教材のほうが、よく頭に入る」ということでした。

私達の身の回りには、リスニングの教材に事欠きません。テレビの二ヶ国語放送を選べば、英語による音声を聞くことができます。インターネットにアクセスすればYoutubeや海外の動画サイトなど、英語の音声素材はあふれるほど存在します。

これら大量にある素材の中で何かを選ぶ際は「原文が存在する素材を選ぶ」ことをお薦めします。日本語訳も同時に存在していればカンペキです。

英語を聞き取るときに、「正確に単語を聞き取れているか」、「聞き取った内容を正しく理解できているか」は、原文と照らし合わせない限り、ずっとわからないままです。自分では正しく聞き取っていたつもりでも、実際にはまったく異なるフレーズとして捉えていた、などということはよくあることです。

このため、勉強にあたっては、できるだけ原文が存在するものを選ぶとよいでしょう。日本語訳があると、自分では解釈できないフレーズや言い回しを正確に理解できて、さらに効果的でしょう。

ディクテーションを繰り返し行う

個人的に、一番効果があると思ったのが、「ディクテーション【dictation】」です。

ディクテーションとは、"聞き取った英語を、そのまま文字に書き起こしていく作業"を指します。ある英語のフレーズを聞き取って、英語として書き起こし、原文と照らしあわせていくと、自分がどんな文章を「聞き取れ」て、どんな部分を「聞き取れないか」が、はっきりわかります。

僕もディクテーションが好きでよくおこないますが、ひんぱんに間違うのが「時制」と「単数形、複数形の違い」です。現在形、過去形、過去完了形、現在完了形の違い、そして単数複数はとにかく日本人泣かせです。次に「冠詞」。"a" と "the" の違いも、最初のうちはなかなか正確に聞き取れません。

ディクテーションを繰り返し行うと、自分の弱みがはっきり浮き彫りになり、リスニングのポイントが目に見えてきます。かつてNHKのラジオ番組の講師を務めた、岩村圭南先生も、ディクテーションの重要性をこれでもかと説いていた事をよく覚えています。

ディクテーションは、リスニング能力を高める上で、強烈にお薦め勧めの学習方法です。

リスニングの教材いろいろ

リーディングと同様に、リスニングの参考になりそうなコンテンツをいくつかご紹介します。身の回りにあり、手頃な価格で手に入る素材を中心に選んでみました。

NHKのラジオ語学講座

リスニングを勉強するにあたって、「ラジオ英会話」をはじめとするNHKのラジオ語学講座は、最適な学習教材の一つです。レベルで別れた豊富なコース、原文も日本語訳もそろったコンテンツ、わかりやすく親しみやすい先生たちの講義、長すぎず短すぎず、繰り返し学習に最適なボリューム感と、長所を上げればこれでもかというぐらいに思いつく、英語学習の王様です。

現在は、インターネット上でストリーミングデータとして講座を聞くこともでき、時間を問わずにいつでもどこでも学習できるようになりました。なによりも真っ先に挙げたい学習教材です。

TED

日本ではテレビ番組「スーパープレゼンテーション」ですっかり有名になった「TED」。TEDは、プレゼンテーションの原文にあたる英語はもちろん、各国語に翻訳されたスクリプトが豊富に存在して、英語学習にもっとも最適なプログラムの一つです。どのプレゼンターも人間的な魅力にあふれていて、なによりもスピーチの内容自体がとても興味深く、面白いものが多いのが特徴です。

シリコンバレーの起業家から作家、著名なタレントまで、バラエティに飛んだプレゼンターの面々もTEDの特徴です。お気に入りのプレゼンテーションを見つけて、何度も繰り返し見てみましょう。

BBC 「6minutes」

ポッドキャストには、いろいろな英語学習教材が存在しますが、個人的なイチオシが「6minutes」。イギリスの国営放送・BBCが、英語学習者向けに提供しているポッドキャストです。6分程度の得頃な長さのプログラムで、毎週週替りで旬な話題を紹介するプログラムです。

いわば英語版「聞くコラム」というべき内容で、毎週毎週ジャンルもコンセプトも異なるトピックが紹介されるため、聞いていて飽きません。英語の速度も早すぎず遅すぎず、英語の原文スクリプトも用意されており、とにかく素晴らしいの一言。数あるポッドキャストの中でも、出色の教材です。

海外向けに販売されている日本アニメ

リーディングでは「英語圏向けに販売されている日本のマンガ」をお薦めしました。同様に、リスニングの強化にも、海外向けに販売されている日本のアニメのDVDなどはお勧めです。海外向けに発売されている日本のアニメなどは、基本的に「Subtitles」と呼ばれる字幕が存在します。Subtitlesを有効にして、英語の音声を見ながら文字と照らし合わせて物語を見ると、リスニング能力が確実にアップします。

一つ注意したい点は、日本のアニメなどの原版をそのまま使っている作品の場合、Subtitlesが「日本語の元音声を英語化した」作品がよく存在することです。こういう作品の場合、実際に聞いている英語の音声と、英語の字幕が微妙に異なるケースが良くあります。DVDのパッケージに「Language: Japanese, English」などと、2言語併記になっている場合は、このパターンが多いので注意したほうがよいでしょう。

ご参考になれば幸いです!

(2014年5月27日「Six apart ブログ」より転載)

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