就学について――『息子は自閉症。ママのイラスト日記』(11)

こもたろは3歳になっても、言葉が出ない子でした。喋ることと言えば「コヨコヨコヨ...」。

こもたろは3歳になっても、言葉が出ない子でした。喋ることと言えば「コヨコヨコヨ...」。いつもこの「コヨコヨコヨ」ばかり言っていて、こちらが何を言っても通じず、困ることが多かったのを覚えています。

そんなこもたろだったので、療育園を卒園したら進学先として特別支援学校に行くのがいいと思っていました。

4歳の秋、通っていた療育園からある手紙を受け取りました。

そこには特別支援学校の文化祭のお知らせの手紙。まだ3年先の話ではありますが、こもたろにはこの学校を見せて、慣れさせておいた方がいいと思い、こもたろを連れて文化祭の見学に行ってきました。

そんなこもたろですが、だんだんと変化が見られるようになりました。幼稚園に通いだし、定型発達の子供たちと接するようになってから、大きな成長を遂げました。

言葉が少しずつ増えていきました。2語文、3語文とつなげて話せるようになってきました。人に全く興味を示さなかったのに、だんだんと興味を示すようになり、知らない人にも挨拶をするほどになりました。まったく理解できなかったひらがな50音を、ある日突然読み書きできるようになったり、オムツが外せるようになったりと、あのつらい2歳、3歳頃は何だったのかと思うくらいの成長ぶりでした。

そんなこもたろの成長を見ているうちに、「特別支援学校が最善と思っていたけど、普通小学校の支援学級も選択肢に入れていいのかも...」という思いが出てきました。

でもやっぱり葛藤はあります。それはどちらを選んでもそうだと思いますが、こんな子ですから、一筋縄ではいかないところもあり、迷惑をかけてしまうだろうと。

こもたろは模倣することに特化していて、すぐ周りの子の真似をします。そのおかげで、幼稚園で成長した部分が大いにありました。こもたろの可能性を信じて、小学校の特別支援学級にお願いしようか。でも、こう考えているのは親の私だけであって、ただのエゴなのかもしれない。こもたろは自分の意見を言うことが難しいので、この子の先のことを考え、道を作ってやれるのは私たち親だけ。でも間違えた道を選んでしまったとしたら...。

いろいろと考えているうちに、私の方が八方塞がりになってしまい、悪い方悪い方へと考えが及ぶようになってしまいました。療育園の先生に、涙ながらに相談したこともありました。

こもたろのストレスフリーを優先に考えると、特別支援学校がいいのかもしれない。でも多少のストレスに揉まれて、耐性を持つことも大事なこと...。

そういった考えの結果、小学校就学の道を選びました。もちろん、こもたろがいっぱいいっぱいになる日が来たその時は、特別支援学校への転校を考えています。

~続く。

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