こもたろのペースで。-『息子は自閉症。ママのイラスト日記』(31)

放っておいても自然に出来るようになる子ではありませんが、必要な療育を地道に続けていれば、出来なかったことが出来るようになるという希望を持てています。

こもたろには、「ある日突然、○○が出来るようになった」という出来事がいくつかあります。

前日までは全然わからなかったひらがな50音の読み書きが、ある日突然、出来るようになったり、ある日突然、トイレトレーニングを卒業したり。

「そろそろ片付けして」と言うと、「やだ!」と反抗していたことも、すんなり「わかった」と言うようになったりだとか。

定形発達のお子さんならば、徐々に出来るようになるはずのことがある日、突然出来るようになるものですから、こちらも戸惑うことが多々あります。

こう書くと「実はすごい子?」と思われるかもしれませんが、すごいことではありません。

だって、出来るようになるのは、定型発達児のお子さんよりずっとずっと遅いのですから。

長い年月をかけて忍耐強く教えても教えても、全然出来るようにならなくて、それでも地道にやるしかないと思ってやってきました。

例えば、箸使い。

こもたろは幼稚園に入ってからもしばらく箸が使えず、スプーンとフォークを使って食事をしていました。

口コミなどで評判のトレーニング箸を使ったりしたけどダメ。

それがある日、自分から「箸を使う」と訴えてきました。

トレーニング箸を渡すと「違う」と訴え、それは受け取らず、台所から普通の箸を持ってきました。

普通の箸を使うのは初めてなので、グーの手で握ってフォークのように刺して食べるところを想像していたのですが、こもたろは拙いながらも大人と同じ指使いで食事をしていた、なんてことがありました。

こもたろは発達の特徴がよく分からない子です。

何をどうきっかけにして良くなるかも悪くなるかもわからないし、こう関わってあげれば正解という答えも不明。

本当に、お姉ちゃんと比べると育てにくい子だなぁと思います。

でも手がかかり大変なところが、可愛く見えてくるところでもあります。

「出来ないから無理」と諦めるものではないですし、「やってもやらなくても同じ」ではありません。

放っておいても自然に出来るようになる子ではありませんが、必要な療育を地道に続けていれば、出来なかったことが出来るようになるという希望を持てています。

これからも、こもたろのペースに合わせて、決してあきらめないでがんばろうと思います。

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