アートが息づく街、ベルリン東部の個性派ホテル10選

国際化が進む世の中で、世界の人気都市の中でも、ベルリンほど強い個性を光らせている街はないかもしれません。

国際化が進む世の中で、世界の人気都市の中でも、ベルリンほど強い個性を光らせている街はないかもしれません。

1989年に街の東西が再度統合されて以降、それまで貧しかった東側を再活性化させるべく移住してきたクリエイターや都市型パイオニア達の手によって、ベルリンは史上これまでなかっただろうと思えるほど、勢いある変身を遂げてきました。そのおかげで、ホテルシーンだけを覗いても、特に際立った個性が目に飛び込んできます。ここではその中から、ベルリン東部ならではのホテル厳選10選をご紹介しましょう。

かつては東ドイツの中央銀行が入っていたという、このネオクラシカル建築の建物。厳かな面構えですが、ロッコ・フォルテ氏が手がける「ホテル・デ・ローム」として生まれ変わってからは、すっかり明るく楽しみやすい空間に。クセのない快適な客室と便利な立地、そして行き届いたサービスで、私たちがおすすめするベルリンのホテルの中でも屈指の評判を誇る一軒です。

一方、全36ユニットのキッチン付きゲストルームを構えた「ゴルキ・アパートメンツ」は、5つ星ホテル並みの快適さを備えつつ、スタイリッシュで落ち着きある憧れのアパート滞在が楽しめます。ちょっと皮肉っぽくも、ホテルの朝食を手がけるロシア風カフェをはじめ、周辺エリアはこれ以上なくお洒落さ満点です。

ロック気質で、あくまで自然体。ちょっと荒削りな部分があっても、そこが逆にチャーミングにさえ感じられる、ベルリン東部ならではのホテルといえばここ「ミヒェルベルガー・ホテル」。クリエイター系の客層にアピールするデザインセンスと料金帯をバランス良く実現した、この街特有のホテルといえましょう。

ヴァインマイスター通りのこの一角は、完全に西洋の資本主義が浸透しているけれど、それもあって、スペインの靴ブランド、ご存知「カンペール」が手がけるこのホテルもしっくり馴染んでいるわけです。靴同様に、ホテルに関しても、独特の個性とこだわりが光っています。

経営者アレクサンダー・シュミット=フォーゲル氏の、ホスピタリティー業に対する"インディーズ"な姿勢は、ブランディング力に頼った最近のデザイナーズホテル界の流れに逆走しているようにも思えます。が、それこそが「ザ・デュード」の個性。ホテルには、"ザ・ブルックリン"という名のステーキハウスが入っていると聞けば、その雰囲気が汲み取れるはず。

90年代、アーティストの溜まり場として知られていたプレンツラウアーベルク地区。今やすっかり高級化が進んでしまったものの、かつて培われたインディーズ精神は少なからず残されています。例えば、全5室の客室を構える「リンネン」。都会の宿、ゲストサービス付きのアパート、プライベート感溢れるホームステイ……。どんな形容をしようとも、普通のホテルとはやっぱりちょっと違います。

"中央"を意味するミッテ地区の、さらにど真ん中に位置するホテル「i31」。すっきりとしていて、クセなく誰でも快適に楽しめるデザインで、これ以上になく便利な立地にあるとあれば、出張から家族旅行まで、多目的に使えること間違いなし。シンプルな印象だからこそ、高いクオリティがより引き立ち、なんとなくリピーターになってしまう人が多いのも納得です。

客室デザインだけに目を向けると、比較的真面目でコンサバなビジネスホテル風。けれど、ロビー周辺は色鮮やかなアート作品と賑やかな雰囲気溢れる「カタロニア」。表向きはパーティー風でも中はなかなか真面目、なんて、まさにベルリン東部にぴったりのホテルかもしれません。

シュプレー川に向けて張り出すように造られた、建築家セルゲイ・チョーバン氏による一度見たら忘れられないその外観。そして内は対照的に、個性派デザイナー、カリム・ラシードの手がけたポップでカラフルで曲線に溢れる空間。それだけでも十分刺激的だけれど、ここ「ナウ・ベルリン」には、ゲストも利用できるサウンド・レコーディングスタジオが2軒も入っているんです。

と、これまでに紹介したような、強力な個性を放つホテルが多いベルリン東部だけに、「コスモ・ホテル」のようなさり気ないスポットがまた新鮮。ここで言うコスモは宇宙のコスモスではなく、あくまでコスモポリタンの意。シュプレー川南岸の主要地へはどこでも徒歩ですぐ。もちろん、メトロを利用すれば気になる人気エリアへも簡単にアクセスできます。