美術館顔負けのコレクションを持つアートホテル10選

ロビーや廊下になんとな〜く水彩画を飾っておけばよかった時代はとうの昔。ここで紹介する10軒のホテルには、地元のギャラリストが思わず冷汗をかくほど本格的なアート作品が集められています。

ロビーや廊下になんとな〜く水彩画を飾っておけばよかった時代はとうの昔。ここで紹介する10軒のホテルには、地元のギャラリストが思わず冷汗をかくほど本格的なアート作品が集められています。

館内のアートギャラリーはもとより、公共スペースや客室内にも近代アート作品がいたる所に飾られた「ロワイヤル・モンソー」。中庭に置かれたジョアナ・バスコンセーロスの大きな鉄のティーポットや、螺旋階段の下に置かれたニコレイ・ポリスキーの実物大のシカの像をはじめ、見所はたくさん。なんと芸術専門コンシェルジュも常任しています。

ジュリアン・シュナベルがデザインしたホテルというだけでも高い芸術性が期待されますが、アンディ・ウォーホルやバスキア、キース・ヘリングといったニューヨークを代表するアーティストから、ピカソやダミアン・ハーストの作品までもがいたる所に飾られているのはさすがとしか言いようがありません。

トラファルガースクエアのそばにある「ヘイマーケット・ホテル」は、ナショナル・ギャラリーやICAへも歩いてすぐですが、トニー・クラッグの彫刻やジョン・ヴァーチューの風景画が堂々と置かれたここのロビーは、チェックインの瞬間から、美術館に足を踏み入れたような気分にしてくれます。

名前に"ホテル"という言葉を入れる余裕さえなかった「LV・ガーデン・ホワンホワリ・アートギャラリー」。でもこれは宿泊施設のクオリティを反映しているのではなく、このホテルが抱える世にも見事な骨董美術や工芸品、アンティーク家具(どれもホワンホワリ、つまり高級木材の黄花梨製)のコレクションが焦点になっているのだということの証です。

広々とした緑の敷地に佇む、14世紀の石造りの農家を改修した「ルレ・レジデンツァ・ダル」は、"芸術の家"という名の小さなホテル。客室や公共スペースは数々の絵画や彫刻などで彩られ、庭には大小さまざまなアート作品が、糸杉とオリーブの木立に守られるように佇んでいます。

カリム・ラシッドのワイルドなインテリアの中に、さらにアートを取り込むとなったら、かなり大胆な作品を選ばなくてはなりません。それをきちんと心得た「セミラミス」は、ジェフ・クーンズ、村上隆、ジェニー・ホルツァーにマイケル・ベヴィラックアといったポップさ満点のアーティストの作品を取り集めました。

「21C」はホテル自体が本当に近代美術館となっています。約840㎡のギャラリースペースでは、通も唸る常設展および臨時展覧会のほか、アーティストによるトーク・イベントや映画上映会、ポエトリー・リーディングといったアクティビティも開催されています。

イタリア・ベローナ郊外の大邸宅「ビブロス・アート・ホテル」には、マリーナ・アブラモヴィッチによる写真作品からダミアン・ハーストのペインティング、ピエロ・マンゾーニの缶詰"Merda d'Artista(芸術家の糞)"など、幅広い(けれどどこか特異な)近代作品が集められています。

セブ市内にオープンしたばかりの「ザ・ヘンリー・ホテル」は、若さ溢れる自由な雰囲気。ロビーはインダストリアルな打放しコンクリートの空間に、鮮やかな色彩のアクセントとストリートアート系の作品、客室は壁一面に描かれたアートが印象的です。

富山県の「リバーリトリート雅樂倶」は、アートコレクターであるオーナーが、所有する美術館の跡地に建てたホテル。エントランスや中庭など、敷地内の各所で、清水九兵衛や畠山耕治をはじめとする日本人芸術作家の作品に出合えます。写真のように、アート作品を独り占めできる贅沢なスイートルームも。

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