このホテルを訪れずにビール通は語れない!

アメリカでは、小さな田舎町のさびれたスポーツバーでさえ、最低1つは自慢の地ビールを置いていたりするもの。ところがホテルバーでは、なぜかまだレアなビールはあまり見つからないのが現状。ということで今回は、ビール好きなら足を延ばしてでも訪れてみたい、こだわりのビール・セレクションを揃えたホテルをリストアップしてみました。

クラフトビールや季節限定ビールなど、個性派ビールが世界的ブームとなりつつある今日この頃。ワインや日本酒には及ばずとも、その種類は年々数を増し、ビール通はもちろん、流行に敏感な文化人にとっても今や当然の嗜みとなりつつあります。アメリカでは、小さな田舎町のさびれたスポーツバーでさえ、最低1つは自慢の地ビールを置いていたりするもの。ところがホテルバーでは、なぜかまだレアなビールはあまり見つからないのが現状。ということで今回は、ビール好きなら足を延ばしてでも訪れてみたい、こだわりのビール・セレクションを揃えたホテルをリストアップしてみました。

オープン以来、グルメでもデザインでもとにかく話題に尽きない「ノマド」ですが、実はここのバーには信じられないほど凝ったビールメニューがあるというのはご存知でしょうか。参考までに例を挙げると、アイルランド産「Porterhouse Oyster Stout」、カリフォルニア「The Bruery」製の大麦ワイン、ニューヨーク&コペンハーゲンを拠点とした「Evil Twin」のスモーク・ピルスナー、「Captain Lawrence」や「Reissdorf」のケルシュビールなど。ベルギー産の季節限定ビールもあり。

道路脇のモーテルを改築して生まれたこのホテルに併設されたレストランは、かつてデニーズがあった場所。店内インテリアにはファミレス時代のちょっとキッチュな雰囲気を残しつつ、メニューはすっかり一新。ドリンクメニューには「Stone」「Lost Abbey」「Lagunitas」などカリフォルニアの地ビールも並んでいます。もちろん、エースホテルらしく、ロックな若者の定番ビール「Tecate」や「PBR (Pubst Blue Ribbon)」も健在です。

敷地内にビール工場を構えた上海の「ケリー・ホテル」は、まさにビール好きのパラダイス。ここでは現在6種類のビールとハードサイダー1種が造られています。工場見学に参加して製造過程を間近で研究するもよし、世紀公園を望む気の利いたホテルバーでただその成果を味わうだけでもよし、ビールマイスターが指南するテイスティングクラスに参加して味覚を極めるもよし。ホテル・ブランドのビールは客室のミニバーにも置かれていて、最初の1、2本は無料ということだから、深夜・早朝にチェックインしても飲み逃すことはありません。

自家製ビール造りに凝っているというのは、同ホテル内レストラン「Jシックス」のシェフ、クリスチャン・グラベス氏。おかげでここでは毎週クラフトビール・イベントが行われている上、普段から地ビールの品揃えもトップクラス。サンディエゴのクラフトビール・ブランド「Lost Abbey」と提携して、毎年1回、ビールペアリング・ディナーと同社ビールのラベルの原画を並べたアート展覧会も開催されます。

5. The Augustine(プラハ)

ビールにある程度詳しい人なら、"修道士の姿=吉兆"という定式はもうご存知でしょう。「ザ・オーガスティン」敷地内最古の建物は、13世紀からある修道院。今でも聖職者が行き交っています。その昔彼らがビール醸造所として使っていた鍾乳洞は、現在ではホテル内バーとなっていて、ここでしか飲めない「St. Augustine」を生で味わえます。チェコ産ビールのテイスティング・コースを楽しんだ翌日はスパへ。ビールを利用したトリートメントで飲酒後の疲れた身体を癒しましょう。

6. Hotel du Vin & Bistro(バーミンガム)

ホテル名に"vin"(=ワイン)という言葉が入っていても、気にすることはありません。バーミンガムにある同ホテル内のパブは、「Kinver」「Purity」「ABC」といった評判高い地ビールを取り揃え、昔ながらのピューター製ジョッキで飲ませてくれます。定期的に入れ変わる生ビールのセレクションには「Duvel」「Blanche de Bruxelles」「Leffe」といったビール通のお馴染みブランドに加え、ベルギー産のグーズ、クリーク、ランボーゼンといった変りダネも登場します。

7. Hotel im Wasserturm(ケルン)

ビールマニアにとって、ドイツのケルンといえばもちろん、喉を潤わす冷たいケルシュ。このドイツ独特のビールを思う存分楽しみたければ、迷わず「ヴァッサートゥルム」へ。毎週日曜のケルシュ・ブランチでは、ケルン自慢のこのお酒が飲み放題となっています。

雪玉を投げればビール工場に当たると言ってもいいほど地ビール文化が栄えているコロラド州。「ベイル・カスケード」はそんな土地の恵みをビール・サンプリングコースや、長〜いビールリストという形で紹介。「Fat Tire」をはじめとするコロラド州の定番ビールから、ホテルから車で20分ほど離れた小さな町で造られている「Crazy Mountain Lava Lake Wit」のような、ほかではなかなかお目にかかれない限定クラフトビールまで、そのバラエティはとにかく豊富。しかも知る人ぞ知るここの貯蔵庫には普段表には出されない特別なビールが集められているそう。

ミュンヘンの街で最もかしこまったホテルの中に、まさか、毎日がビール祭りになるような元気溢れるバーが入っているとは、さすがの私たちも想像していませんでした。「マンダリン・オリエンタル」屋上階にある「ウデン・シャレー」では、これでもかと言わんばかりのアルプス風インテリアと、ディアンドルやレーダーホーゼンをまとったスタッフが気分を盛り上げてくれます。自慢のビールはもちろん、ここから眺める本物のアルプス山脈とバイエルン音楽に酔いしれて、ベンチの上で踊りだす人の姿も少なくないようです。

地ビールの先駆者として名高い「サンクトガーレン」が「パーク ハイアット 東京」のために特別に醸造するオリジナルビール「パーク ブリュワリー エール」は、20 種の厳選されたホップによる芳醇なアロマと爽快な喉越しが特長。ホテル開業 20 周年となる今夏のスペシャルバージョンのひとつとして登場するそう。7月1日~9月30日に開催される、恒例のデリカテッセン「パーク ブリュワリー」で、ワンランク上の夕涼みを堪能されてはいかがでしょう。