日曜日のギリシャの選挙について知っておくべき5つのこと

いよいよ日曜日にギリシャで選挙があります。そこで投資家が知っておくべきことをまとめておきます。

いよいよ日曜日にギリシャで選挙があります。そこで投資家が知っておくべきことをまとめておきます。

1. 選挙のスケジュール

1月25日が投票日で、投票所が閉まるのは現地夜7時です。各政党の得票比率は早ければ月曜の早朝にもわかると思います。現在のギリシャ議会の議席構成はこうなっています。

2. 政権の形成

第一党になった政党には、獲得した議席数に加えて50議席のボーナス議席が付与されます。具体的な例で説明すると仮にA党が105議席を獲得し、第一位になったら、自動的にさらに50議席が与えられ、合計155議席となるわけです。

ギリシャ議会の定数は300議席です。すると過半数を占めるには151議席が必要です。言い換えれば単独政党で政権を握るためには日曜日の投票で101議席を獲得し、第一党になる必要があるわけです。

若しそれに届かなかった場合、第一党を中心として、ライバル政党との間で連立政権樹立の工作が行われます。これに許された時間的猶予は三日間です。

若し第一党が与えられた三日間の間に他政党と話し合い、151議席の連立政権樹立が出来なかった場合は、次に第二党に三日間の時間が与えられ、他政党との連立政権樹立のチャンスが回ってきます。これに許された時間的猶予は同じく三日間です。

若し第二党も連立政権樹立に失敗したら、第三党が中心になって、おなじことを試します。

3. 現在リードしているのは?

現在、有権者の投票意向調査でリードしているのは急進左派連合(シリザ)です。このまま行けば急進左派連合が第一党になる可能性が高いです。しかしその場合でも急進左派連合が単独で151議席を確保できる可能性は低いので、選挙後の多数派工作が必要になると思われます。

4. 急進左派連合の主張とは?

急進左派連合は一部の投資家からは「EU離脱を望んでいる」と誤解されていますが、そうではありません。昔のレトリックをぐっとトーンダウンして、今はEU残留を希望しています。ただギリシャに対する救済パッケージが決められた時の切詰め策の条件に関しては緩和を要求しています。

5. ギリシャ経済について

ギリシャはEU、IMFなどの処方箋に従って、増税と公費削減による財政の立て直しに取り組んできました。

上のグラフに見られるように、ずいぶん進捗しましたが、未だターゲットには達していません。

その間、ギリシャ経済は2009年のギリシャ危機発覚の時から27%も縮みました。失業率も28%となっています。

(2015年1月22日「Market Hack」より転載)

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