新国立競技場の基本設計は出来上がっていない!(2)

昨日、新国立競技場の基本設計会見で何を言ったかといいますと、大きく分けて4つです。

昨日は忙し過ぎたので準備不足で更新したんですが加筆します。

新国立競技場の基本設計会見で配布された基本設計図書を見ましたところ、私の見解は

「これは、、建てちゃダメです。」

昨日、新国立競技場の基本設計会見で何を言ったかといいますと、

大きく分けて4つです。

1.建築専門家の方々からの環境に配慮しろの声を受け75m~70mと小さくしました、キリ!

2.屋根ではなく遮音装置とします、また素材はC種膜とします。

3.安部首相が世界一の技術を見せるといったんだから、解体はやらなきゃならんのだ!という河野一郎さんの必死の叫び

4.安藤忠雄さんは会見から本当に逃げました。

さあ、やっつけていきましょうか

1.は論外。子供だましも大概にしろ!

6.6%しか縮んじゃいねえ、しかも全体ボリュームは前とかわらん。

この絵をみれば一目瞭然でしょう。

2.は詐称です。

これ、とんでもないことを言い出しているんです。

このC種膜は燃えるので屋根は作れません。

なのに屋根にしなきゃならんから、

屋根っぽいけど屋根じゃない名前にしようという、、屋根偽装?

どういう意味かといいいますと、

建築物は法律上主要構造部というのを定めてあり、

該当するのが「壁・柱・床・はり・屋根・階段」と明記されてるんです。

ここは法律のゆるゆるの広い別荘地の中などよっぽどじゃない限り不燃素材です。木をつかっても厚みを上げるか不燃処理を施します。

そのため、計画上建築基準法違反であり、

とりあえず「屋根」とは呼べなくなっているんです。

呼ばなきゃいけるのか!

これ国の仕事だろ?

国が率先して建築基準法違反の前例つくるのか!

まあ、耐火に関する大臣認定ルートCという方法があるのですが、

基本的に普通の住宅なんかくらべものにならないくらい厳しいので性能評価機関通じても通らないでしょうね。

同時に避難安全検証ルートCというやつもありますからね。

呼び名を変えれば燃えるC種でもイケルとか考え始めているのでしょう。

JSC側にも有識者会議の中に真の建築の専門家がひとりもいなく、会見において適切なアドバイスも出来ていないようです。

アエラ記事も参考にしてください。

アエラの大根田さんが取材しに行った先は太陽テントだと思います。

そしてドームの専門家というのは斉藤公男先生だと思います。

屋根に用いられる膜材にはA種、B種、C種、テント倉庫用の4種類ある。たとえば、東京ドームはA種という、フッ素樹脂コーティングしたガラス繊維材を使用している。

頑丈だが、曲げるとガラス繊維が折れるため、折りたたみ式にはできない。

C種は塩化ビニール合成樹脂の合成繊維(主にポリエステル)で、折りたためるが耐久性で劣る。

膜構造屋根の建設実績が豊富な企業の担当者は、

「A種は東京ドームで25年以上維持できており、まだ交換しなくても大丈夫。C種は10~15年程度で交換を検討しなければならない。そもそもC種は仮設で使われることが多い」

C種はなあ、海の家とかイベントとかの一時的使用くらいしか通常は想定できないんだよ!

膜構造採用のところから予想されるように、今回の基本設計の構造設計には、とうとう、斉藤公男先生までもが駆り出されてんだろうなあ、、、

斉藤先生まで引っ張りだして、

自分らがなにやろうとしてるかわかってんのか!

有識者会議は!

まあ、有識者会議15人中14人は建築の専門家じゃないんだから、

責めてもしょうがないんだけど。

あと、ザハのデザインをめちゃめちゃにし過ぎ。

っていうかどうにもならないのを、

なんとかパースでの見え方だけはつじつま合わせしたんだろうけどね。

日建設計も梓設計も日本設計もすごくご苦労されたんだと思います。

大変だったでしょう。先の見えない、というかこの先が滝になっているのに丸太舟の乗って川を下っている印象でしょう。

一部の人たちは、景観に配慮とかいろいろいうから

ザハのデザインが変更になったんじゃね?と勘違いしていると思うのですが、違います。

無理ゲーでも成立させようとして、これがいっぱいいっぱいザハデザインに近づけた形なのです。

構造システムもまったくザハが想定したものではありません。

それについても解説しますが、

まずは屋根の件で嘘の発表したってことを明記しておきます。

(2014年5月29日「建築エコノミスト森山のブログ」より転載)

ザハ・ハディド氏の当初の案

新国立競技場のデザインたち

ザハ・ハディド氏のデザイン

新国立競技場 画像集

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