いやあ、参りました。
新国立競技場:英の建築家2人 デザイン審査会議を欠席(毎日新聞 2013年11月20日)
2020年東京五輪のメイン会場になる新国立競技場(東京都新宿区)のデザインに関し、昨年開かれた国際コンクールの審査員だった英国の著名建築家2人が2回あった審査会議をいずれも欠席していたことが関係者への取材でわかった。
・・・・「審査内容は非公開」として詳細を明らかにしておらず、十分な議論が行われたか疑問の声が上がっている。・・・・
2次審査に残った作品の構造設計を担当した建築家の渡辺邦夫氏は
「・・・・根本的なルール無視で、結果は無効になるはずだ」と話している。・・・・
というニュースです。
予想外というか、なんというか、このコンペ
ちょっと、常識の斜め上を爆走っている。
コンペを偽装かよ!
プリツッカー賞とかなんとか言っていた割には、
それに見合う審査員はいなかったのか、、
大手ホテルで問題になっていた食品偽装問題
ブラックタイガーを車海老と言ってました。
ロブスターを伊勢海老と書いてしまった。
バナメイエビを芝海老と呼んでいた。
どうせ客には区別つきませんから。
というものですが、まあそれでもまだエビがはいっていたんだからまだまし。
今回のコンペ事件での現実はいってみれば、
メニューに書いてあるエビがそもそも入っていなかった。
おせち料理10品目のうちに伊勢海老と車海老が入ってない。
数年前世間を騒がせたバードカフェ事件を想い出してしまいました。
今回の審査員には
「ノーマン・フォスターとリチャード・ロジャースが入っています。」
↓
現実は
「入っていなくてもフォスター&ロジャースの風味がつけてあります。」
完全にクロかよ、、、
すげえな。完全に舐めてやがる、こいつら。
そりゃ審査過程は言えんわなあ、居ねえんだから。
ああ、丹下健三さんが生きていたらなあ、黒川紀章さんも生きていたらなあ、
清家清さんも生きていたらなあ、菊竹清訓さんも生きていたらなあ、
芦原義信さんも大高正人さんとか、戦中派の大人の感性をもつ諸先生方なら
誰かが!烈火のごとく怒りの鉄槌を下すんじゃないだろうか。
誰か上からガツンっと叱れる人、いないのかよっていうのが率直な気持ちです。
みんなの脱力感がはんぱないため、
なんか、
フォスター&ロジャースの匂いが添加してあるんだから、
コンペ風味で我慢すればいいじゃん。
と合理化してしまいそうな勢いなんですが、
100均のポテトチップスとかじゃないんだから風味だけではなあ。
それで御代が3000億円はないでしょう。
で、面積を2割削減するという。
これもよくわからない。
元の案でさえ、機能不足があったと聞く。
スポーツ運営側から出ているサブトラックが取れていない問題。
本当よくわからないんですが、
たとえば、今は築50年の大正ロマンの古い家があるとして
結婚を期に二世帯住宅を建てたいと言われ設計してて、
おばあちゃんの部屋が必要と言われていたのに
出来あがった設計案におばあちゃんの部屋はない。
でも注文時の1300万円が見積もりはヘルメット風にしたので3000万円。
高いと言ったら、廊下とか削ってヘルメットなままで1800万円。
あいかわらずおばあちゃんの部屋はない。
庭をつぶしてプレファブ建てる分が割り増しです。
なんのための新築なんだ、、というような話なんじゃないんですかね。
で、もうしょうがないのでサブトラック本当に取れないのか
検討してみたんです。
小一時間、じっと敷地を眺めていたんですが
すると
いまの国立競技場のままでもとれなくはない。
とれるじゃん、サブトラック、ここに!
外苑西通りがそのままだとちょっとキツイので、少し西にズラシましたが、
しかも、現状の競技フィールドと連続させることも出来そうなんですよ。
これ、運営上も上手くないですかね。
で、国立競技場の構造を見ていたんですが、
といっても国立競技場は表も裏も骨組みがむき出し、
構造体そのままですからわかりやすいんです。
そして、こういった大型の建物というのはどこかで継ぎ目があるんですけど
全体のすりばちリング状のカタチが扇型に分けてあるようなんですね。
であれば、次のようなプロセスで
耐震改修と収容力UP、そしてサブトラックの併設が図れる可能性があります。
フィールド面をひょうたん型に連続させる。
こうすれば、競技スポーツのプログラムとか運営的にもよくないですかね。
練習風景も見れますし、トラック競技とフィールド競技もスムーズに使えたり。
そのうえで、減築部分と観客席部分を増築するわけです。
選手の入り口ゲートもこのサブトラックとメイントラックの継ぎ目の
ところで劇的に演出可能じゃないでしょうか
そうすれば、現国立競技場の構造の7割を活かしながら、
画期的に改修できると思うんですね。
予算も計算中ですが計画予算の半分くらいになりそうですし、
工期が大幅に短縮できるどころか、
来年もたぶんオリンピックまでずっとJリーグで使える。
これは、今日本建築界でもっとも重要な人物青木茂先生が提唱する、
リフォームではなくリファインという手法です。
オリンピック後も、サブトラックが陸上競技の練習とか絵画館前の草野球場のように草サッカーの競技場とかに出来る。
あと、運営収入のことが取りざたされてるJSCスポーツ振興センターならぬ、JJC日本ジャニーズ振興センターとしてコンサートのことばっかり心配しているようなのですが、幕で屋根かけてしまえばどうなんでしょうかね。
もうちょっと検証してみて、このシリーズはそろそろ終わりにしようと思います。
(2013年11月20日「建築エコノミスト 森山のブログ」より転載)