この5月30日の午後8時半ごろ、強い地震がありました。

この5月30日の午後8時半ごろ、強い地震がありました。

私はちょうど韓国の済州島で行われた日韓フォーラムから成田空港に帰国して、成田エクスプレスに乗ったところでした。

ちょっと電車が揺れたので、重いスーツケースを持った人が乗ってきたのかと思いました。そこへ愛妻から、大丈夫、という電話が入り、地震だったのかと思った程度でした。

しかし、成田エクスプレスは止まってしまい、スカイライナーに乗り換えました。

その後、小笠原と二宮が震度5強と発表され、地元のスタッフから、二宮は概ね大丈夫との報告がメールで入ってきました。

なぜ、小笠原と二宮だけが震度5強なのかと、二宮町の古沢時衛元県会議長が調べてくれました。

二宮町の震度計は、20時25分10秒に計測震度1.9、20時26分27秒に計測震度5.1、20時28分20秒に計測震度2.4を記録していました。

計測震度5.0-5.5未満を震度5強としているため、二宮町は震度5強と発表されました。

二宮町の震度計は平成22年に付け替えで県が消防署に設置しています。

消防職員によれば、「最初の揺れの後、大きな横揺れがあり、消防車両などが動いた」そうで、気象庁も、震度計付近の地域は実際に強く揺れたと考えています。

神奈川県内には震度計が99か所ありますが、そのうち県が設置しているものが22か所、その他に気象庁が設置しているものと市町村が設置しているものがあります。

古沢時衛元県会議長の調査では、平成25年11月から平成27年5月までの50回の有感地震のうち、二宮町の震度を隣の大磯町と比較して、二宮町のほうが計測震度が大きかったのが16回で、小さかったのが7回、同じだったのが7回、他は比較不能でした。

西隣の小田原市と比較して、二宮町のほうが大きかったのが7回で、小さかったのが8回、同じだったのが13回、その他は比較不能でした。

こうした古沢時衛元県会議長からのデータを基に気象庁に相談すると、二宮の震度計周辺の地盤は、昭和47年2月に水田に盛り土をして造成(厚さ不明)しているという記録が残ってました。

そのためこの軟弱な地盤の影響でこの付近で揺れが大きくなる可能性は考えられるとのこと。

ただし、この「二宮町中里」の観測点は、その地点での揺れを適切に観測できていると、気象庁は評価しています。

つまり、観測点の付近に高い樹木や鉄塔があると、その揺れが影響して、震度計がその地点の揺れを正確に測れないことがあります。その場合、その観測点の設置環境は不適切であり、観測点を変える必要があります。

「二宮町中里」の観測点の設置環境は適切で、その地点の揺れを正確に測れていると気象庁は考えています。

その地点が軟弱かもしれないが、地盤が軟弱なせいで揺れが大きくなれば、それがその地点の事実なのだ、ということです。

気象庁としては、とくに「二宮町中里」の観測点を変更する必要があるとは考えていないようです。

(2015年6月12日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載)

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