ALL与党で、族議員だらけ。族の怖さを垣間見た!

いま、参議院農林水産委員会の理事懇談会が終了しました。私は、少し怒りを覚えながらこの文章を書いています。

いま、参議院農林水産委員会の理事懇談会が終了しました。私は、少し怒りを覚えながらこの文章を書いています。党派を超えた馴れ合いで、国会には自浄作用は無いのでしょうか

今回の経緯と私の意見

昨日、毎日新聞に【脱法パーティー:自民山田氏団体に補助金受給JA系5億円】という記事が掲載されました。参議院農林水産委員長の山田俊夫議員(自民党)が“「抜け道」的な事実上の献金” で5億円をJAグループから受け取っていたというものです。

JA全中(全国農業協同組合中央会)出身の山田俊男参院議員(自民、比例)関連の政治4団体が6年間で計394回の政治資金パーティーを開き5億4293万円の収入を得ながら、8割に本人は出席せず、3分の2近くは東京都内のJAビル会議室で開いていたことが分かった。(抜粋)

今日の参議院農林水産委員会理事懇談会は、この報道を受けて山田俊男委員長からの釈明の為、急遽開催されました。ところが、その場の雰囲気は異様なもので、真偽を調査する前から山田委員長に同情的な意見に終始していたのです。

ご存じの通り、農林水産委員会は政府の農林水産行政のチェックを行う国会の常任委員会です。しかも、来週以降、参議院では農協法の改正案が審議される見込みです。山田俊夫委員長はJAグループの頂点である全中の元専務理事です。審議を行う委員会の委員長が農協から多額のお金をもらっているような状態では、国民から見て、とても正常に審議を行う状態ではないでしょう。

まずは、委員長は一度身を引き、しかるべき所で本件についての反論をして頂き、農水委員会では、別の委員長のもと、粛々と農協法についての議論をするのが筋であると考えます。

族議員だらけの農水委員会

私が主張している上記の内容は国民からみたら至極当然な話だと思います。今回の理事懇談会の前には、まだ、新聞の1面に報道があった状況ですが、場合によってはもっと厳しい声もでるのかともさえ考えていました。

ところが、実際の懇談会で委員長の進退に踏み込んで意見を申し上げたのは唯一私だけでした。与党の議員はもちろんのこと、普段は国会議員の不正を徹底的に許さない野党の議員も、企業団体献金の全面禁止をうたっている野党の議員からもそのような発言はありませんでした。

農水委員会は普段は和気あいあいとしていて、視察の際などは党派を超えた意見交換や情報交換を積極的にしています。しかし、このようなことがあった際に、国会議員同士の身内だけで、うやむやに、なし崩し的に片付けてしまうのは筋が違います。同僚議員として、言うべきことはきちんと言い、襟をただすべき所はきちんと正さなければなりません。

山田俊男委員長だけの問題ではない、JAグループからの与党への献金

実はちょうど1年前、2014年6月9日の参議院決算委員会で安倍総理に対してこの件について質疑をしています。そこでは農政連(農協の政治団体)からの献金などについて指摘し、農協改革を進める上であらぬ誤解をされるので、合法的であっても、自民党は農協からの献金などの受け取りは止めた方がいいのではと総理に提案しました。

決算委員会での具体的質疑は【こちら

・全国農政連を通じてJAグループのお金が自民党参議院支部に流れている

・愛知県の県農政連からほとんどの自民党の小選挙区支部に対して寄附されている

総理の答弁では「JAからお金はもらっているが、改革は進めて行くんだ」ということでした。しかし、人間の心情的に(今回の農水委員会もそうかも知れませんが)お金をもらっている組織や人に厳しいことをいうのは難しい面があります。これが、まともな審議、まともな国会のあり方なのでしょうか。

農業には2兆円を超える税金が毎年つぎ込まれています。そして、農業を発展させるために協同組合としての農協は(今のままではダメですが)必要な組織であると思っています。しかし、健全な農業の発展のために、政府と国会、そしての農家や農協で建設的な議論ができるように、襟を正していくべきだと思っています。

終わりに

正直申し上げて、ALL与党で族議員だらけの農林水産委員会の理事懇談会で、委員長に辞任を遠回しにでも伝える発言をたった一人ですることは、心の底から恐怖を感じます。権力者にたった一人で立ち向かうことがいかに恐ろしいことか、前回の緑の気候基金の反対(詳しくは、国会議員717人で唯一!反対はタブーの議案にひとり反対した理由【第37回山田太郎ボイス】)の時と同じ思いです。

皆さんの世論に支えられて、この問題を引き続きとりあげていくことができます。応援、本当によろしくお願いします。

(2015年6月12日「山田太郎ボイス」より転載)

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