Amazonのドローンは、自宅でなくても今いる場所まで荷物を届けるようになる

Amazonが配達ドローンの計画を発表した時、それは確固たるビジョンがあるものではなく、どちらかと言うとメディア向けのパフォーマンスのように思えた。

Amazonが配達ドローンの計画を発表した時、それは確固たるビジョンがあるものではなく、どちらかと言うとメディア向けのパフォーマンスのように思えた。しかし、今ではカナダで実践的なテストを行ったり、新しい特許の申請を行ったりと詳細が見えてきたことで現実味を帯びてきている。新しく申請された特許「無人航空機により配達システム」(BBCの情報から)には、Amazomの提唱する小包の配達計画について興味深い新事実が含まれていた。

例えば、このシステムでは、荷物の受取人のスマートフォンから共有された位置情報により、ドローンは受取人の場所を正確に特定し、直接本人に荷物を届けることができる。それは、自宅にいる場合でも違う場所にいる場合でも対応できるそうだ。また、配達先の場所を自由に指定することもできるので、ユーザーのスケジュールや受け取り時間に合わせて、柔軟に対応できる。

これが実際に利用できるようになれば、今までにないほど便利になるだろう。今の所、配達業者が荷物の届く日の朝にユーザーに電話で荷物の受け取りを確認し、オンラインで配達日を調整する流れが最善のサービスだ。荷物の配達途中でもユーザーの時間ごとの予定に合わせて受け取り場所を変更できるのなら、全体のプロセスから不要なストレスや心配を取り除くことができる。

Amazonの特許には、ドローンがどのようにセンサー、カメラ、レーダーやその他の機能を駆使して、安全な着地を保証する方法や、人や障害物を避けながら進む道を確認する方法についての詳細が記されている。しかし最も重要なのは、この知的で柔軟なルート変更システムにより、従来の配達方法に比べ、コンシューマーの体験を改善し、Amazonの価値が高まるということだろう。

もちろんAmazonは悪意のある者が、ドローンのルートを変更して、荷物の配達を妨害することへの予防策を慎重に検討しなければならない。しかし、これが実際に行われ、順調に機能するのなら、顧客への配達ルートシステムだけでeコマースと商品の配達のあり方を変えてしまうことになるだろう。

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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(2015年5月9日「TechCrunch Japan」より転載)

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