米大型書店「バーンズ&ノーブル」、1800人をレイオフ。悲嘆に暮れる元店員のツイートがつらい

「17年勤めて毎週の読書会はとても人気があった。しかし一瞬にしてクビになった」
TechCrunch Japan

もう何年も前から、B&Nのゆっくりとした死をぼくは記録している。ぼくの目の前で同社は、血を一滴また一滴と失い、今や殻だけしかない牡蠣になった。B&Nは、文化センターがないところの文化センターだった。それは、ニューヨークやシカゴ、クリーブランドでは雨の日にちょっと立ち寄るところだった。そしてそれは、子どもに最初の本を買ってやる場所だった。

今それは、ほとんど終わった。月曜日(米国時間2/12)に、同社は1800人をレイオフした。これによって、4000万ドルの経費を節約した。しかしそれは、とりわけ興味深い。4000万ドルということは、一人の社員が平均22000ドルの年俸を稼ぎ、ふつうならポストホリデーの不振時に解雇される時間給労働者は15000ドルもらっていたことになる。というより実際には、B&Nはその781の店舗のフルタイム社員を全員解雇したのだ。元社員の一人が述べている:

月曜日の朝、Barnes & Nobleのすべての店で、フルタイム社員は荷物をまとめて去るよう言われた。なくなった職掌は次のとおり: キャッシャー(お金を取り扱う人たち)、荷受管理者(配本を受け取り正しい場所に陳列する人)、デジタル係(Nookの問題解決を担当)、ニューススタンド係(雑誌の販売を担当)、バーゲン係(大量のディスカウントを担当)。一部の大型店にはキャッシャーと荷受管理者が残ったが、その数は多くない。

昨年のホリデーの前後には多くの入出荷管理者をレイオフしたから棚は空になり、顧客はAmazonへ逃げた。2017年の12月には、通常はB&Nのかきいれどきなのに、売上は6%減の9億5300万ドルになった。オンラインの売上は4.5%落ちた。

同じく巨大小売店のCircuit City(家電量販店)は、高給の社員を全員解雇して、時給制(最低賃金)のキャッシャーや、棚出し、店員に置き換え、終わりの始まりを告げた。

TechCrunch Japan

[17年勤めて毎週の読書会はとても人気があった。しかし一瞬にしてクビになった。]

TechCrunch Japan

[これが二日前の読書会だ。]

[妻もここで見つけた。今では5人子どもがいる。20年近くB&Nにいたのはここですばらしい家族を作れたからだ。そして彼らは突然ぼくを解雇した。彼らはぼくを投げ捨てた。]

書店のストリーミング化は理論的にはありえるが、しかし実際には、書店は印刷物の補給所以上のものだ。そこは遊び場であり、カフェであり、立ち読みする場所だ。地域の小さな書店は、そのことをよく知っていて、店頭店内のスペースを、おもしろくて居心地の良い場所にしている。

海賊の服を着て子どもたちに本を読んでやる人〔上図〕のいないBarnes & Nobleは、本しか商品のないWal-Martだ。自分の一生をB&Nで本を売ることに捧げた人たちは、お金のためにそうしたのではなく、本への愛のためにそこで働いたのだ。今同社は、そんな人たちを永遠に失った。

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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