ロボットのトンボ、販売見通し立たず 100万ドルの支援金集めたものの

ロボットトンボは、クラウドファンドで100万ドル以上を集めた初めてのガジェット。

あのRobotic Dragonfly[ロボットトンボ]を覚えているだろうか? その小さなドローンはクラウドファンディング創成期のサクセスストーリーの一つとして、2012年にIndiegogoで100万ドルの支援金を集めた。当時クラウドファンドで100万ドル以上を集めた初めてのガジェットだった。プロジェクトは、鳥のように飛び、虫のようにホバリングする小さなロボットを ― わずか99ドルで ― 約束した。諸君、残念なニュースがある。その小さなドローンは計画通りには離陸しない。

会社は深刻な金銭トラブルに見舞われていることを昨日発表した。しかしこれは彼らの落ち度ではない、とファウンダーらはIndiegogoのコメントで言っている。責任は資金を解放しないPayPalとIndiegogoにあると彼らは言う。金額? 同社はその情報を公表していない。

TechCrunchは、開発元のTechJect、およびPalPal、Indiegogoの各社に問い合わせて追加情報を求めている。返答があり次題本稿を更新する予定だ。

クラウドファンドされたガジェットが出荷されないのはこれが初めてではない。むしろトレンドになりつつある。Pirate3Dは、簡単に使えて低価格な3Dプリンターを約束したが、Kickstarterで受けた注文を満たす前に現近が尽きた。

どうやらTechJectはロボットトンボの開発を完了することすらできなかったようだ。プロジェクトがIndiegogoに登場したのは3年近く前だというのに。Indiegogoのプロジェクトページには、米国空軍から100万ドルの助成金を受けて(少なくとも2012年には)プロジェクトがスタートしたと書かれている。「われわれはユーザーにテクノロジーが浸透するのを待って欲しくない」とページは言う。しかし、支援者たちは未だに待ち続けている。

昨日会社が資金問題について発表して以来、Indiegogoのコメント欄には支援者たちが大挙して押し寄せている。当然だ。今日同社は、プロジェクトが厳密な意味で中止されてはいないことを明言した。継続には追加資金が必要なだけだ。さらに同社は、もし製品を出荷できない場合、「同社の持つDragonflyに関するあらゆる知的財産権をライセンス権利を含めて全支援者に公開し、損失を取り戻すために利用、再販その他を自由にできるようにすることを発表した。

Robotic Dragonflyはいつも少々現実離れしていた。本誌はプロジェクトが生まれたジョージア工科大学の研究室を訪れた後このキャンペーンを紹介した。しかし、優れたエンジニアは必ずしも優れたファウンダーにならない。製品をCAD図面からプロトタイプを通じて店頭に並べるためには、特別なチームが必要だ。

これは消費者がクラウドファンディングにもっと注意を払うべきであることを示す、新たな事例に過ぎない。クラウドファンディングに保証はなく、告知されている以上のリスクが伴う。Robotic Dragonflyはクラウドファンディング初期の2012年に資金を集めた。以来、Indiegogoは支援者の安全性を高めるために利用規約を改訂した。しかしその後も、途方もない約束や疑わしい主張を掲げるプロジェクトがいくつも出現している。Robotic Dragonflyはクラウドファンディングの墓場に足を踏み入る最後のガジェットではなさそうだ。

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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