勝ちそうな予感はあったが、やっぱり快挙ですね。前回の記事でも言及した兵庫・西宮市長選で、新人の今村岳司・前市議が、2期目を目指した現職の河野昌弘氏らを打ち破った。リクルート時代の同期である常見のアニキも喜んでいた。躍動感にかける東京の区長選をみていると、そのドラマ性が羨ましいな(泣)その感想を徒然なるままに。
◆低投票率のなかでの奇跡
東京の人はほとんど関心が無かったと思うので、一応概略を説明しておこう。今村氏は無所属。過去3回の市議選はトップ当選で一定の地盤は築いていたとはいえ、現職には自民・公明・民主が相乗りして組織力ではとても適わない状況だった。しかも西宮市民はとにかく投票に行かない。過去4回の投票率は26~33%と、都市型不人気地方選を地で行く状況だった。今回も36%。サッカーに例えれば、少数のコアなサポーターがまばらにいるだけのスタジアムで、「ジャイアント・キリング」を達成したわけだ。都知事選・家入陣営の諸葛孔明こと、松田馨さんが軍師として参陣していたが、これでまた株を上げましたね。オファー来るんだろうな。うらやま。今度、勝因を聞いてみよう。
※歓喜に沸く今村陣営(松田氏twitterより転載)
◆サイバー不正監視もそろそろ考えないとね
ちなみに“スタンド”には罵詈雑言を投げかけるフーリガンの存在も目に余った。リアルでも、今村さんのことを「隠れ維新」等と中傷する動きがひどかったらしいが、ネット上もまたネガキャンが散見。最近アカウントを開設した人間が、今村氏への中傷を繰り返していた。この「えび」=下記=と名乗る自称・西宮在住の会社員のアカウントはその典型だった。
参院選、都知事選を振り返ってみても、ネガティブ情報を執拗に発信するアカウントの多くは、明らかに選挙期間に合わせて開設したものだった。まとめサイトを使ったネガキャンも散見される。ネットのアクティブユーザーが多い首都圏の国政選や知事選なら、そうしたネガティブ情報の発信源を組織的に多数つくることも考えられる。ファクトの提示だけなら、まだしも憶測やデマの流布は徹底的に監視しなければならない。日本では、まだそのあたりが貧弱で、自民党が監視体制を構築しているものの、地方選のように候補者個人は余裕が無い。韓国のように公的機関による「サイバー選挙不正監視団」の設置も真剣に考えていきたいところだ。デマ情報に基づいた投票判断への影響を少しでも減らしたい。
◆“お達者クラブ”と化す東京の地方選
さて、東京のほうを振り返ると、は~、つまんねー。練馬区長選が行われたが、投票率は前回から14ポイント以上もダウンの31.06%で過去最低。前区長の死去で急に行われたこともあったが、選挙構図が自民・公明が支援する本命候補の圧勝が見え見え。かといって今村さんのように話題性やスター性のある対抗馬がいないでは、そりゃ一般人は選挙行く気なくすよな。
それにしても、東京の地方選は「お達者クラブ」と化してますよね。都知事選ですら、家入さん以外は、著名な泡沫含めて、顔ぶれの大半がシニアばっかりって、どうなってんでしょうか。今回、これまた4人の候補者が68歳、60歳、59歳、71歳と、ビミョ~に熟年化する練馬区長選は、自民党内で30代の若手区議が出馬を目指していたが、爺さんたちの壁に阻まれてしまったらしく断念したそうな。中央区の矢田区長なんか、1987年からずっとやってるんだよな。矢田区長が初当選時には小学生だった自分が、40の大台に達しようという来年の選挙に、爺さん元気で、またまた出るんじゃないか、って噂を聞くと、よほど慕われているか、よほど区民が疑問に思っていないのか。年内は、中野、杉並、品川、新宿と区長選はございますが、インターネッ党も本格参戦するなら、今村さんのような有為な人材を発掘しなきゃいけないなと改めて感じます。
【追伸】「あほロアー」を巡るグローバルマチョ子2号への反論、期待されている方もいますが、ヤフー個人の某執筆者に「意味の無い論争はしない方がいい」と忠告されたこともあり、今回はスルーする(-_-メ)。
【お知らせ】23日19時から東京FMの番組TIME LINEで「ヤンキーと政治」について語る予定です。スタッフの方が、東洋経済オンラインの記事を読んでいただいてご指名だそうです。初めてのラジオ出演。やべー、堀潤さんに滑舌の応急措置法をならったので練習しよう。あ、い、う、え、え、お、あ、お。