わからないをわかるに変えるにはどうしたらいいんでしょうか?
誤解を理解に近づけるには、どうしたらいいんでしょうか?
わからない「ことば」はたくさんあります。
今回はこのことばを題材にします。
"また今度"です。
また今度(電話する、の機会に、来るよ)!のような形で使われ、
「また今度」だけだと、未来のいつかで曖昧です。
鈴:佐藤さん、佐藤さんじゃないですか。おーっ久しぶりです。
佐:あれ、鈴木くんかー、どうしたんだこんなことで。
鈴:家族サービスで買い物に付き合ってるんです。
佐:元気そうだなぁ。また今度連絡するから一杯やろう。
鈴:いいですね~
佐:じゃ、また今度。
鈴木さんはこの会話、どう理解するんでしょうか。
・社交辞令だから連絡はないだろう。
・佐藤さんはかつての上司なので、きっと連絡があるだろう。
他にもあるかもしれませんが、多くの人がこのどちらかだと思います。
社交辞令と佐藤さんが判断すると、きっと奥様に「こんな人にあったよ」とか、報告するくらいで忘れてしまうでしょう。
では、再会が本当に嬉しくて、きっと連絡があるだろう、と期待しているとどうでしょうか。連絡があればうれしく思い、連絡がなければガッカリします。
「また、今度」ってラクであいまいなことばなんです。
「なんでもいい」と同じで、中身が空っぽです。
そんなことばに期待してガッカリするのは悲しいので、意味を制限してみましょう。
言葉の意味を制限する
鈴:佐藤さん、佐藤さんじゃないですか。おーっ久しぶりです。
佐:あれ、鈴木くんかー、どうしたんだこんなことで。
鈴:家族サービスで買い物に付き合ってるんです。
佐:元気そうだなぁ。また今度連絡するから一杯やろう。
鈴:いいですね~、自分は週末は家族サービスしなきゃいけないので、平日の夜のほうが助かります。
佐:・・・
「平日の夜のほうが助かります」
と返された佐藤さんは、どう反応するのでしょうか。どんな答えをイメージされましたか?
社交辞令としての挨拶だったら、
「最近忙しいんだよね。しばらくすると時間ができると思うんだ-。」
とサラッとかわしたり、
「あーっ、んー、そうだなーそのうち連絡するよ。」
など、ちょっと困ったような反応をしたりするかもしれません。
反対にその気があれば、
「平日だと◯曜日がいいんだよね。」
とか、
「再来週あたりだったらどうかな?」、「そっち方面の〇〇社に営業に行く予定があったから、調べて連絡するよ。」
などと話が進むのではないでしょうか?
こうしてみると、ボンヤリしていたあいまいさが、くっきりした明確さに近づいていきます。
あれって社交辞令だったのかなぁ
きっと佐藤さんは誘ってくれるはず、と思ってたんだけどなぁ、など
誘われずガッカリするより気が楽になるんじゃないでしょうか。
意味を制限して誤解を理解に近づける
仕事でもありませんか?似たようなこと。
この仕事いつまでですか?
今週中で頼むよ。
-金曜日-
「あの仕事できた?」
「えっ今週中でってことだったんで、最悪でも月曜朝イチまでにメールでと思って......」
「月曜日持って出かけるんだよ」
「......今からやります。」
あいまいなことばを、お互いに自分に都合よく解釈する。その場では便利ですが、そうするとそこに、誤解が発生するかもしれません。
質問や提案を使って意味を制限することで誤解を制限できます。
誤解を理解に近づける、ことばのコミュニケーションを心がけてはいかがでしょうか。
(2015年11月20日「ボトルボイス」より転載)