上手くいったことにはきっと誰かが関わっている

本当に1人で居続けるということは現代社会においては難しいことのようです。

私たちは誰もが「私という、ひとりの人」として存在しています。

私の好きな人がいたり、私の好きな映画や音楽というような趣味があったり、

私の信じる正義やモラルなどの信念を持っていたりします。

人種や顔、体つき、背の高さや体格などの見えるモノもあれば、見えないモノもあります。

このような個性をこまかくあげていったら、いくつかは人とおなじでも全部がおなじということは無いでしょう。

このように誰もがそれぞれ違った個人として、存在しています。

人は誰かと関わってしか生きられない

そして同時に、個人としての存在だけでなく、

たいていの場合は誰かと、何かグループとも関係して日々生活しています。

それぞれ違った個人が集まって、協力したり、楽しんだり、

学んだり、別の集まりと競争するなどの活動をしているのですね。

そのグループは様々で多種多様です。

家族の一員であるとか、会社に所属していたり、友達関係があり、趣味のサークルがあり、

同級生やおなじ故郷、おなじ意見を持っている、などもその1つですね。

まったく誰とも、何処とも関係していないとすると、

生活費を稼ぐ、調達する、生活を維持するなんてことさえ、難しいでしょう。

個人で自給自足なんて、現実的ではありません。

それでも「俺は(私は)あんまり他とは関係していないなぁ」

と思う方もいるかもしれませんが、現実世界のグループに所属していないとしても、

いまは本当に多様な社会ですから、インターネットや掲示板、

LINE、ネットゲーム(ソーシャルゲーム)などもありますよね。

こうしてみると、本当に1人で居続けるということは現代社会においては難しいことのようです。

今までの経験にはいろんな人達が関わっている

いまに限ってみてもこれだけグループと関係しているくらいですから、

時計の針を逆に巻き戻してみたらどうなるのでしょうか?

以前の職場、○○年前の家族、大学や専門学校、高校、小中学校などの学校、部活やサークル......

たいていの人は意識もしていませんし、忘れていることですけれども、

それこそたくさんのグループに所属していたり、その経験があったりするのです。

ていねいに考えていったら、とても数え上げられないほどの数かもしれませんね。

そうして関わったグループには、人それぞれにいろいろな経験や思い出があることでしょう。

楽しかった思い出、辛く辞めたグループ、なんとか危うくもやり遂げたこと、

仲間と共に掴んだことや涙したこと、中心になって活躍したこと、

あたたかいサポートに恵まれたり、激しい対立や裏切りがあったり、

いまも共にいる大事な人と巡り合ったり......

これまで自分の過ごしてきた関係やグループを振り返ってみると、思ったりすることがありませんか?

あの頃は良かったなぁ

あそこは仲間に恵まれていた

環境がとても良かったから上手くいったんだ

もう一度あんなふうになったら......

もしそう思うならばもしかすると、いまに物足りなさや、

上手くいかない思いを抱えているのかもしれませんね。

上手くいった経験とともにその時の人との関わりかたを思い出してみる

だとするとたまには、「良かった」「上手くいっていた」

と思う過去のその原因探しをしてみませんか?

私たちは失敗や上手くいかないことの問題探しが得意で、日常的にしています。

誰のせい、予算がないから、時間が無い、計画が悪い、あの一言が、

アイツとは上手くいく訳がない、この書類(計画、予定、旅行......)のここが気に入らない......

こうすることがもちろん役に立つこともあるでしょう。

間違った見積書を提出する、基準に満たない商品を出荷する、

模擬テストなのに「日頃の頑張りで100点」になる......なんてことがあったとしたら大問題です。

それはそれで役に立つことが多いのですが、

自分自身の過去や思い出に対してそれを繰り返してみるとどうなるのでしょうか?

自信を失う

嫌なところが見えて気が滅入る

責任を感じて申し訳なくいたたまれない

再び怒りが湧き上がる

恥ずかしい

後悔や後悔を繰り返すことへの嫌悪感

......

とても楽しくないし、辛く苦しくなるようでは、いまに役立つこともありません。

たまには、良い思い出や成功、大切な関係の理由を探してみましょう。

そうすることで気づくこともあると思うのです。

本当に大事なこととは?

あのときの信念や心掛け......

どのように行動したら上手くいったのか?

どんな態度だったから「あの人が協力して」くれたのか?

こうして探してみる、過去の良かった理由や原因探し。

その中には、いまを良くしたり、少しずつ変えていくための答えがあるかもしれません。

「答え」そのものは言い過ぎと感じる方もいるでしょうか?

でも、ちょっとしたヒントくらいは眠っていますよね、きっと。

(2016年12月11日「ボトルボイス」より転載)

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