空気を読み過ぎて人間関係がつらいあなたへ ⑨どうしてあの人は空気が読めないのだろうか

「まわりの人たちにも空気を読んで行動して欲しいと期待するが、願いが叶わない」ということの解消のために...

どうしてあの人は空気が読めないのだろうか

「まわりの人たちにも(私のために)空気を読んで行動して欲しいと期待するが、願いが叶わない」

ということの解消のために...

自分にとっての当たり前を基準にしていませんか?

私たちは知らず知らずのうちに、期待しています。

わかって欲しい、理解して欲しい、やってもらえたら助かる...

「名選手名監督ならず」という言葉もあるように、私たちはとり分け自分ができることについて、「そんなの簡単だよ」「どうしてできないのだろう?」と思いがちです。

このように思うとき、どんな練習や学習、体験などをしてきたのか、それを身につけるためにつぎ込んだ時間や努力、情熱やエネルギーといったものは、その人の過ぎ去った過去として、後ろに隠れてしまっています。

その人にとって「当たり前」「できて当然」「それが普通」となればなるほど、意識の外へと追いやられる傾向にあるように思います。

小学生にとって漢字のテストとは、覚えなければならない漢字と向き合うことです。

たった1枚のテスト用紙でさえ、目の前に立ちはだかる壁のように大きな問題です。

けれども大人の私たちにとってみれば、おなじ内容のテスト用紙を見て感じることは大きく異なるでしょう。

漫画やインターネット、新聞、雑誌、本など、日常的に読んでいますし、そこからの情報を知ることで楽しんでいます。

仕事やプライベートで書類などに書くことも、手書きが少なくなったとはいえ、機会があります。

そしてなによりも、小学生とは比べることはアンフェアなほど、これまでに多くの時間や努力をかけてきています。

それなのに、それを忘れてしまいます。

簡単なこと、慣れていることほどに...

ましてや「空気を読む」ということとは、あなたの長所です。

長所の一つを誰でも簡単に「できること」だと思うことは、相手にとって酷なことではないでしょうか?

相手が得意としていること、絵でも歌でも料理でもいいのですがこれを、「やればできるって」「簡単なことだよ」「誰にでもできることだから」と言われたと想像してみてください。

「それは謙遜だよ」と感じることもあるでしょうし、「馬鹿にしているのか?」と思うこともあるでしょう。

すっかりその気になって、「そうか、簡単なことなんだ、やってみよう」とはあまりならないのではないでしょうか?

馬鹿と天才は紙一重と言いますけれど、辛くなるほどに空気を読めるということも、言葉にならないメッセージを敏感に受け取ることができる、特別な才能です。

空気を読むということを、自分の長所として受け入れ自覚すること

ときにその能力を、「この場面では使わない」と判断したり、その能力が正確なものかどうか?検証して、さらに高めたりすることもできるでしょう。

ほかの人たちよりも優位に立つ「差」や「違い」をつくりだすことができるチカラとして、どう活かしていくのか?

こうした視点を持つように切り換えることで、自信を持つことにつなげることができるでしょう。

また、自分の長所を強く意識できるならば、ふとしたときに相手の長所にも気づくことがあるかもしれません。

そうした相手の長所も、あなたが空気を読むことで、相手に発揮する機会を用意できるのではないでしょうか?

そうなったらきっと、すごく理想的な循環がつくれるだろうと思いませんか?

あなたが自分の長所を発揮することで、相手の長所を発揮できる仕事、場面、環境を用意してみる。

こうであるならば、空気を読むことを期待する替わりに、相手の長所で応えてもらうことも可能でしょう。

相手に期待しすぎて、腹を立てるとか、ガッカリするよりも、相手のことがよく分かってしまうことに、まず気づく。

振り返って自分はどうか?と「見直し」もしてみる。

見つめなおし

このようにすることで、「自分の得意なことって、簡単にマネできないものなんだ」と再確認できます。

得意なことや能力には、自信や誇りを持ってもいいのです。

あとはどう活用するか?です。

これはあなた自身でオーダーメイドしてみてください。

仮縫いするとか、わずかに直し整えることで、ピッタリと合うようになることでしょう。

*対象が個人ではなく組織になりますのでここでは触れませんが、グループのほかの人たちに「やっぱり空気を読んで、なんとかして欲しい」と期待するならば、仕組化をするとか、あなたの気づきを折に触れて話すことで伝えていくなど、方法はあるでしょう。

何度もくどいほど繰り返していますが、空気を読むということは一つの能力です。

その能力を活かして、優位に立つ違いや差をつくり、相手の能力を発揮できる場面を見逃さない。

こうしたことが相手に期待しすぎないポイントになるでしょう。

(2016年08月1日「ボトルボイス」より転載)