空気を読み過ぎて人間関係がつらいあなたへ 第4回

負担が減ることがありそうならば、気が楽になることもあるはずです。

あなたが役割を放棄すると世界に何が起こるのだろうか

空気を読み過ぎてつらいあなたの解決とは、どのようなものでしょうか?

考えてみましょう。

まず構造的な問題を整理すると、次のようになるのでした。

・空気を読むということは、主体性がなく「やらされ感」がある

・自分が損をしていると感じる

・まわりの人たちにも(私のために)空気を読んで行動して欲しいと期待するが、願いが叶わない

ということは、単純に裏返せば解決かもしれませんね。

  • 空気を読んで行動することに、主体性、自分の決断や判断を導く
  • 損から得に変える、または受け入れられる程度の傾きに修正する
  • 空気を読んで行動して欲しいという願いが叶う

もしかすると、空気を読むことを一切すべてやめる、ということも解決と思えるかもしれませんね。

ですが、これって可能な対策でしょうか?

これができるならば「読み過ぎてつらい」という悩みは生まれませんが、そもそもそれが可能ならば、本文、このテーマは成立しませんよね。

そして思い返して欲しいのですが、多かれ少なかれ、あなたが「空気を読んで行動できる人」だということが、まわりの人たちに評価されているのではありませんか?

観察力、予想や展開を読む力、過去の経験をいまに活かす力...

こうしたチカラが失われてしまうことは、仮に可能だとしても良いことではないのではありませんか?

まず前提として「空気を読むことを完全に辞めることはできない」

ということを、はじめにハッキリとさせておきました。

やらされることをあなたが引き受けないとすると、世界に何が起きるのだろうか?

完全に辞められないとすると、ほかのやり方で解決を目指すことになりますね。

そこで一つ調べたいことがあります。

それは、「あなたが空気を読んでも行動しないとすると、世界に何が起こるのか?」ということです。

おそらくこれは、とても難しいことではないかなぁ、と思います。

いつもやっている習慣的行動を中断する、辞めるということは抵抗があります。

たとえばこれはどうでしょうか?

「明日の食事は3食とも、お米を食べてはいけません」

「明日は1日中、コーヒーを飲まずに過ごしてください」

きっと

「いやいやそれはちょっと待って......」

「メシを食うなというのと同じだよ!」

「うっかり飲んじゃいそう」

など、抵抗を感じる人も多いのではないでしょうか?

空気を読むことが得意な人にとっては、いつも自然にしている習慣である「空気を読むこと」を中断するということは、おなじように大変なことだと思います。

明日から長所を出すな、というのは難しいですよね。

ですからこのような抵抗や不安を少なくするためにも、とても小さなケースで始めることがおススメです。

その方がリスクも少なくすみます。そして1日中全てのことについて実験する必要はありません。

そんなことをしたら性格も変わってしまうし、とても疲れそうです。

まわりにも心配されてしまうでしょうし、条件が変わり過ぎて実験にならなくなってしまいます。

1日1回程度でもう、十分です。

コーヒー飲みたいのかな? 休憩したいのかな?(重いものを)持ってほしいのかな?

この程度の軽くて、安全なケースで十分でしょう。

そのように空気を読んだなら、いったんそこでストップです。

明確に言葉で伝えられるようなことがない限り、我慢します。

あなたが声をかけたり、手を出してはいけません。

その結果、どんなことが起こるのでしょうか?

あなたが思った通りのことが起こるとか、思った通りのことを頼んでくることもあるでしょう。

何も起こらないこともあるでしょう。

あなたの気持ちが落ち着かず、モヤモヤすることもあるでしょう。

ついつい手を出したくなってしまうような場面もあるはずです。

でも、そこは実験ですから結果がでるまで「待って」みましょう。

重要な出来事や深刻な状況で実験をするのでなければ、やり過ごしても問題はないケースのはずです。

問題があるとしても、あなたの気持ちの中だけでしょう。

なぜならば安全なケースや、日常のちょっとしたことを選んで実験しているはずですから...

*注意*

そんなのじゃ物足りない、仕事の場面で実験したいと思う人もいるでしょう。

その場合には、必ず時間的な余裕などのセーフティラインを設定しましょう。

「気づいていたのにやらなかった」

その結果、トラブルが発生した場合、あなたが不利になったり、後悔で自分を責めたりしてしまうことになりかねません。

それでは余計に苦しんでしまいます。

コーヒーが飲みたそうだな、でも我慢... その結果???

  • コーヒーを頼まれる(正確な予想が証明されました)
  • 何も起こらない(残念ながら予想が外れ)
  • 本人が自分で淹れる、または別の人が淹れる
  • (予想そのものは当たっているが、必ずしもあなたが淹れてあげる必要はないのではないか)

  • お茶やジュースを手配する
  • (もしかすると、いつもコーヒーではなく、たまには他の飲料が飲みたいのかもしれない)

  • 話しかけてくる
  • (コーヒーが重要ではなく、コーヒーをきっかけとしたあなたとの会話が大事なのかもしれません)

こうした実験をしてみると、あなたの中にさまざまな気づきや学びが生まれることでしょう。

正解か不正解か? あなたがしないと別の人がするのかどうか? 相手がハッキリと言葉にして依頼してくるのかどうか?

幸か不幸か、あなたが空気を読んでしている行動が、じつはあまり必要とされていないことも、あるかもしれません。

意外な人が、自分の次に空気が読める人だったりすることもあるでしょう。

過剰にフォローしないことで、成長する人だっているかもしれません。

やはりあなたが重要な役割であることが、ハッキリとすることもあるでしょうか。

こうした新しい情報で、負担が減ることがありそうならば、気が楽になることもあるはずです。

予想が正確だったと証明されたら、迷いなく自信を持ってできることもあるように思います。

(2016年07月24日「ボトルボイス」より転載)

注目記事