働き方改革実現会議 2月から労働時間の議論始まりました!

2月1日第6回働き方改革実現会議から、ついに「労働時間の上限規制」の議論が始まりました。

2月1日 第6回働き方改革実現会議から、ついに「労働時間の上限規制」の議論が始まりました。

昨年の9月から始まった会議ですが、メインの法改正までいく議題は「同一労働同一賃金」と「長時間労働是正」のふたつでしょう。

このふたつのテーマについては、過去ほかの会議で議題にはなったのですが、詰め切れずに終ってきたもの。それを「労使のトップを呼び、一気に決着しよう」というたいへん意欲的な、安倍総理自らが議長となった会議が働き方改革実現会議です。

会議は3月に何らかの『実行計画』を出して終ります。「長時間労働是正」のテーマが、最後の最後になったのは、それだけ調整が難しいテーマだからでしょう。

調整とは「経済界」との調整です。今は「事実上無限定」の正社員の労働時間という経営資源。それを失うかもしれないという議論なのですから、経済界が慎重になるのも当たり前です。

安倍総理から「36協定の時間外労働時間についての再検討」という言葉がでたのは2016年1月の一億総活躍国民会議です。やっとその議論の場ができたわけです。

首相官邸ホームページより

初回は有識者議員、閣僚メンバーともに「自由討論」でした。私は労働問題の専門家ではありません。

しかし「少子化」や「女性活躍」「男性の家庭参加」という面から、「労働時間に上限ができること」の必要性をプレゼンしました。資料はこちら

またNewsPicksでも「少子化」と「長時間労働」の関係について、詳細なインタビュー記事にしてもらいました。詳しくはぜひこちらをご覧ください。

父親が家庭での時間を過ごせないことは、OECD諸国では少子化と連動しています。週60時間以上働く男性は「結婚確率」も低くなっています。

そして、会議に皆様の4万3千名を超える署名を提示しました。

労働時間改革に賛成する経営者55社及び40自治体の宣言書もつけました。

閣僚の皆様は、どこの会社、自治体が宣言書にサインをしたのかを、注目してくれました。

提言した内容はこちらです。

「白河氏 資料2と、A3の2枚になります。日本の労働時間は制限速度のない高速道路です。事故も起きれば犠牲も出ます。総理が年頭におっしゃった罰則つきの上限、インターバル規制などが必要です。

サントリーの新浪社長は「社会課題として規制するべき」と発言され、大和証券の鈴木会長は「この労働時間改革をやり遂げたら安倍政権最大のレガシーになる」とおっしゃいました。

こちらが、労働時間の上限に賛成する経営者55社及び40自治体の宣言書 となります。

電通の事件を受け、労働問題ではなく社会課題としての世論も形成されました。NPO法人が高橋まつりさんの過労自殺から取り組んだ署名活動は、43,000人を超えました。

きょう、こちらにお持ちしてあります。数々の悲痛なコメントは、電通の件は氷山の一角とわかるものでした。

36協定の上限は海外からも注目され、大使館からヒアリングも相次ぎました。

その際に、もし70時間ならと聞いたところ、外交官や国会議員たちは、テリブル、多過ぎると驚かれました。これでは海外の優秀な人材は日本を目指しません。

また、労働時間の把握を企業に義務づけることも強制力を持たせていただきたいと思います。

そして、同じく海外から注目される少子化と女性の活躍。効果的なのは、限度時間である時間外労働45時間の遵守です。欧州に遜色のない罰則や社名公表、そして、遵守企業の社名公表もお願いしたいと思います。

労働時間が長いと、少子化になります。第1子のときの夫の育児参加の度合いにより、第2子を持つ確率が1割から7割違うというデータがあります。

また、60時間以上働く男性は、結婚も出産経験も確率が低いことがわかりました。

あと2年しか日本の人口をふやすチャンスはないという資料もつけさせていただきました。

子育てしながら働く女性は、労働時間差別に遭い、生産性高く成果を出していても評価されないというマミートラック問題を抱えています。19時前退社を断行した大和証券では、女性の支店長が2割、社内の出生率も上がっています。

介護は、延長介護はございませんので、18時台に会社を出なければいけません。

経営者は「社員の無限の労働時間」という経営資源を失うことになりますが、そのかわりにさまざまなIT投資、イノベーションが起きます。優秀な日本の経営者にできないわけはありません。

総理のリーダーシップをもとに、安倍政権最大のレガシーをぜひなし遂げて「働き方は変わる、短い時間で生産性高く働くのがいいのだ」というメッセージ性の強い政策を実現させてください。」

(2017年2月14日「Yahoo!ニュース個人(白河桃子)」より転載)

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