台中・高雄線は「需要や環境を調査。視界に入っている」 バニラエア、石井知祥社長単独インタビュー(下)

7月1日、エアアジア・ジャパンからバニラ・エアにブランド変更されて以降、初の独自路線となる、東京/成田〜奄美大島線に就航した。ANAグループが就航していない奄美大島をなぜ選んだのか、同社の今後の戦略とともに、石井知祥(いしい・とものり)代表取締役社長に聞いた。

7月1日、エアアジア・ジャパンからバニラ・エアにブランド変更されて以降、初の独自路線となる、東京/成田〜奄美大島線に就航した。

ANAグループが就航していない奄美大島をなぜ選んだのか、同社の今後の戦略とともに、石井知祥(いしい・とものり)代表取締役社長に聞いた。(中はこちら

ー台湾のV Airは9月、タイガーエア台湾の就航も年内にはあると見られている。ライバルが増えてくる中で、特に好調な台北線が競争過多になると思いますが、どう対抗しますか。
当面は心配はしていない。まだ伸びしろがある路線だと思う。逆に言ったら、既存大手も(搭乗率は)平均90%以上いっている。(他の)LCCが入ってきても広がるでしょうね。もしチャンスがあって増便すれば、充分ついていけると思っている。
ー台湾のLCCは、すべて桃園を拠点とする計画。その点で空白になる、台中、高雄線の開設はどう考えているか。
今はいろいろ需要や環境を含めて調べている。香港、マカオ含めてこれからどう展開できるか。それは視界に入っている。ある程度固まり次第やっていきたい。
ー長距離のリゾートということで、ホノルル線なども期待されているところですが、エアバスA330型機のような中長距離機材はまだ検討はしていないですか。
2015年を精査していく中では、具体的には機種も含めてまだ考えていない。2016年以降はこれから具体的に。2015年末には10機体制になる予定で、2016年、2017年以降はこれからの検討課題。路線を含めて検討した時に機材の関係も出てくる可能性もあるが、具体的にはまだ考えていない。
ー新機材導入が2月、3月にあるというが新路線を開設するのか、既存路線の増便をされるのか。
両方検討しているが、やはり、海外を主において路線網を充実させたいというのがひとつ。バリエーションを持って、選択肢を提供したい。あとは、既存路線の中で増便をするのも当然視野に入れますけれども。いずれにせよ、できるだけインバウンドを含めてお客様を取り込んでいきたい。
ーピーチやジェットスターの第2拠点化もありましたが、成田の発着枠の問題はこれから出てくる可能性はありますが、第2拠点は具体的に検討はしていますか。
まだ検討していないです、これから。
ー同じくANAが出資しているピーチは沖縄を第2拠点としていますが、バニラエアとしては?
ピーチと競合したくない(笑)
ー可能性はあるということ?
成田のベースができてから、次どうするかという問題は出てくる。事業を大きくしないなら別だが、10機から幅を広げていくとなると当然出てくる。
ーどれくらいが成田の完成形というイメージ?
成田もいまいま、カーフューの弾力的運用(午後11時~午前0時の間の条件付きでの離着陸)は、もう今年、天候の関係で6回適用させてもらった。地元の理解含めて24時間で運用していただければ随分幅が広がってくる。いい時間帯はスロットの確保が厳しくて、夜行便の選択もあるが、返してくるのがギリギリで厳しくてキャンセルしたくない。宿泊施設は空港内に一部出来たけれども、そういったところの運用が広がれば使い勝手が良くなる。最終形は見えてきていない。
成田は3本目の滑走路の話もあるが、運用時間についても検討から。我々からしたら、航空会社の事情でも午後11時以降に降りられるようにしていただければ違う。地元の理解も必要だが、機材バリエーションは増えてくるし、成田をより拡充できると思っている。
その次のところでいけば、(航続距離などの)縛りが。トントンと(経由便で)いくか、トーンと(直行便で)していくかという選択もある。
ージェットスター・ジャパンがJALとコードシェアを行っていて、ジェットスター・ジャパンの路線網を活用することで、地方から成田で乗り継いで海外に行きやすくなっているが、ANAグループとのコードシェアは?
考えていない。これやりだすとコストもかかるし、お客様に乗り継ぎを保証することでしょうから。システムもあるでしょうし、我々の中でどうやっていくか。
コードシェアはないけれど、対外的なところ。ANAグループだけではなくて、取り組みできるところはしたい。(ANAの)マルチブランド戦略化の中でできることをもう少しやっていきたい。コードシェアはある意味楽な部分もあるが、我々のLCCとしてできる部分をやっていかなければならない。コードシェアだとANAのレベルに合わせられるかということもある。一方では楽な部分があるかもしれないけれど、今はそれぞれの需要をうまく取り込んでいく。システム結合ではなくても出来る部分もある。何もしなくても乗り継ぎのお客様が乗っているので、どううまく取り込むかに関心が強い。
ー地域密着型商品が新メニューで発表にならなかったですが、地域密着という面で他社との差別化出来る部分の一つだと思いますけれども、今後はどうしていく予定ですか。
今回はメニューの中を少し変えた。メニューは3ヶ月に1回変えていく予定なので、地域のものを販売していきたい。搭乗ゲートの売店であるVストアでも、地域の良さをどう取り入れるか。これから充実していきたい。
ー奄美とかの就航地の商品もいれていきたいということですか。
物産なども。
ーピーチのチケットガード保険は、バニラエアも取り組む計画はあるのか。比較的安い掛け金でお金が戻ってくると話題になったが。
我々も、できるだけ早い時期に保険販売はやるつもりでいる。チケットガードというわけではなく、旅行傷害保険の中にいろいろなものを付加したもの商品をやりたい。(終)

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