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2017年07月07日 18時44分 JST | 更新 2017年07月07日 18時44分 JST

愛を叫べ: ウィーン・プライドがカラフルすぎる

一つ象徴的なのは、国会議事堂前を行進することです。白亜の大理石建築を背景に、多くのレインボーの旗が振られ、栄えました。

5月初旬に東京でレインボー・プライドが行われました。中島美嘉のスペシャル・ライブなどもあって盛り上がったようですね。

さて、LGBTは今の時期が盛り。ヨーロッパ各地でイベントが行われています。その中で、先日6月9日から18日まで行われたウィーン・プライドを写真で紹介します。

正式名称は英語風に「ヴィエンナ・プライド」(Vienna Pride)なので、日本語風に「ウィーン・プライド」と呼ぶのは実は抵抗があります。今年が22回目。

メイン会場となるプライド村は14日から17日までウィーン市庁舎前に設営されました。ここは一年中イベントが開かれるウィーンのお決まりの広場です。

村には、飲食店、展示、イベント、グッズショップなどのテントがならび、正面には大型スクリーンとステージがあります。連日ここで講演、ライブ、コンテスト、ガイドツアーなど様々なイベントが開催されています。

平日は人が少なめですが、夜になると、コンサートに足を運ぶ人や、飲食を楽しむ人も増えてきます。サマータイムの今は9時過ぎまで明るく、通常はドライな夏模様なので過ごしやすいです。

市庁舎広場のプライド村

ドラッグ・クイーン・コンテスト

ドラッグ・キングが優勝

そうはいっても、メインイベントはやはり日曜日の午後に行われるレインボーパレード(Regenbogenparade)です。

レインボー仕様のトラムがパレードを先導する

ウィーンのパレードは東京とどう違う?

東京のパレードには参加したことがないので誤解があったら、ごめんなさい。

インターネットで見る限り、礼儀正しい練り歩き大会のような印象を受けました。渋谷・原宿界隈を、他の車や歩行者に邪魔にならないように一車線でパレードするという感じでしょうか。

それが正しいとすると、ウィーンのパレードにはちょっとショックを受けるかもしれません。

ウィーンではリングと呼ばれる約5kmの環状道路を一周まわります。リングの内側が旧市街・街の中心です。

3車線とトラム2車線から成るこの主要道路が4時間にわたり完全に遮断されますが、日曜日は東京と違いかなり交通量が減るので、あまり問題がないのでしょう。今年は67の団体が山車と共に行進しました。

ウィーンのパレードとは、一言で言えばお祭りパーティーといった感じでしょうか。

まず、流行の音楽をスピーカーから流すので、結構な騒音です。当然それに合わせて参加者は踊りまくります。また、推奨はしていませんが、責任者や運行関係者以外アルコールは禁止されていないようです。

大型車の山車が多いので、演出も派手。特に大勢の参加者を乗せたトレーラーが目を引きます。この山車を歩道にいる野次馬と観光客が珍しがって、写真をとりまくるわけです。

団体によっては、無料の小物をばら撒くので、観光客も喜びます。今年はあいにくの曇り・雨模様でしたが、とにかく参加者のエネルギーを感じました。

一つ象徴的なのは、国会議事堂前を行進することです。白亜の大理石建築を背景に、多くのレインボーの旗が振られ、栄えました。

ギリシアの古典様式の前に立つのは英知の女神アテナ像。LGBTに積極的なリベラル政党も参加しており、政治的なメッセージを投げかけています。

国会議事堂(左奥)を通過するパレード

欧州旗を振るリベラル政党のNEOS

警備もかなり気を使ったのではないでしょうか?ウィーンはいまだに大事件が起こっていないものの、ヨーロッパ各地でテロが頻発しています。

また、トレーラーはかなりゆっくり走りますが、周りを警備員がテープで囲い、歩行者の安全を確保するように配備されていました。混雑を制御するのもなかなか大変です。

悪いところといえば、道にゴミが散乱するところ。参加者のゴミ処理の規定はありますが、観光客もいるので、どうしてもゴミが出ます。そこで、パレードの最後尾には清掃車が待機しています。

何台も列を成して、水を撒き散らしながら清掃するのですが、山車のすぐ後を追う様子は少し滑稽です。

参加団体のなかには性的表現が少し過激なものあります。半裸は当たり前。「我々はフェチだ!」とバナーを掲げる者。SM的な団体からセックス労働者の団体まで。子供への影響などを理由に苦情を言う人はいないのかなとも心配してしまいました。

良し悪しはともあれ、様々な団体が参加したことは事実でしょう。また、参加者の中には、街中でダンスパーティーをして騒ぐこと自体が目的のような人もいるような気がしました。

音楽フェスティバルや仮装パーティーと違わないような印象を受けるかもしれません。ただ、周知活動という点、誰もが参加でき、楽しむことできるという面では大成功だったのではないでしょうか。

ウィーンは、2019年にユーロ・プライドを控ており、すでに宣伝を開始しています。

2001年以来の二回目ということで、最も多く開催されたロンドン(三回)に次ぎ、ヨーロッパのLGBT都市として認知されてきています。今後ますます盛り上がってくるでしょう。

All photos by Tsunanori Chinatsu

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