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2015年12月22日 00時56分 JST | 更新 2016年12月20日 19時12分 JST

岐路に立つアフリカ―「ポスト2015開発アジェンダに関するアフリカ共同ポジション」からSDGsを考える

長い植民地支配から独立したアフリカ諸国は、その豊富な資源量や人口増から今や最も潜在力を秘めた大陸となりました。

〇最も潜在力を秘めた大陸

1960年、南アフリカのケープタウンを訪れた英国首相が、「変化の風がこの大陸を通じて吹いている」との演説をしてから55年余り。長い植民地支配を経て独立したアフリカ諸国は、アフリカ連合や地域経済圏を設立して安全保障や経済、政治面での協力を進め、その豊富な資源量や人口増から今や最も潜在力を秘めた大陸となりました。

一方、独立後に急速に立て直した行政機構は脆弱で、国内外の格差は拡大。加えて国内は複数のエスニシティが共存し、時には緊張が高まって政情不安や内戦状態に陥る国もあります。

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals/ SDGs)が採択された現在、「特別な配慮が必要な地域」であるアフリカでは何が求められ、アフリカは世界に対して何を求めているのでしょうか。同アジェンダの起草にあたり重要な文書の一つとして挙げられた「アフリカ共同ポジションペーパー(Common African Position on the Post-2015 Development Agenda/ CAP)」から考えます。

©アフリカ日本協議会

ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限を4年後に控えた2011年11月、ガーナのアクラで開かれた国際会議で、アフリカ全体でポスト2015の開発アジェンダに関する優先課題を特定していくことが協議されたのがCAP起草の始まりでした。2012年7月にはアフリカ連合(AU)首脳会合にてポスト2015に関し、アフリカ全体で優先課題を特定していくことが協議され、翌年、CAPに関するハイレベル委員会が設置されました。国連開発計画(UNDP)や国連人口基金(UNFPA)の技術的支援を受けながらも、アフリカ連合やアフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)、アフリカ開発銀行等、アフリカ独自の機関が中心となって策定されたこの共同文書は、アフリカの「結束」を象徴するものとなりました。

文書で特に強調されているのが、以下の項目です。

  • 持続可能性を確保するための経済の構造的改革
  • 科学技術とイノベーションの促進
  • 人間中心の開発という概念も再確認

〇新たな段階、7%の経済成長へ

石油価格等一次産品価格の下落に直面し、アフリカは多くの国で主要産業の大部分を占めている農業に加え、人の移動を可能にして域内経済を活性化させるためのインフラ開発の拡大、サービス業や付加価値を生む産業の育成、R&DやICTへの投資、理数系教育を拡充していくという新たな段階に入りました。実際、アフリカでは1990年代にはルワンダやコンゴ民主共和国、スーダンやソマリアをはじめ、内戦や紛争のほか、政治的不安定を抱えた国がいくつもありました。植民地時代に宗主国により恣意的にひかれた国境は、広大で多様なアフリカを分断し、独立後の国内に不安定要素を残してきました。

それから10年、いくつかの国では依然、不安定要素を残しながらも、アフリカ諸国は強力な大統領の主導力を背景に、国内の立て直しを図ってきました。

それを象徴しているのが、アフリカの豊富な資源や人口増等、経済成長の潜在力を背景に海外企業の進出が相次ぎ、「最後のフロンティア」とも呼ばれ、大陸全体での平均経済成長率が5%を超えていること。1994年にジェノサイドを経験したルワンダでは、昨年は7%の経済成長を遂げ、資源のない内陸国という特性から、理数系教育を推進して国内公共サービスの全面IT化を目指して成長を続けています。銅やダイヤモンド、石油が採れるコンゴ民主共和国やナイジェリアでは鉱業がけん引して、同様に7%以上の成長を遂げています。

〇岐路に立つアフリカの大きな課題

一方経済成長の陰で、国内で「取り残された」人たちをどのように経済、社会に取り込んでいくかは、大きな課題であるといえます。最近はアフリカにも「民主主義」の概念が取り入れられ、複数政党制や定期的な議会選挙が行われつつあり、同時にNGOの活動も活発化しています。

しかし成長の陰で声を上げた者が投獄されたり、自由な活動が禁止されたりするケースは後を絶ちません。同時に資源開発の裏で乱獲により現地住民の伝統的な生活が取り壊されているケースも多くあります。

アフリカの経済や社会をいかに「持続可能」な形にしていくか。アフリカは伝統的なパン・アフリカニズム思想を背景に、過去の歴史の失敗や成功を振り返りながら、結束して独自の構造改革に踏み入っています。アフリカの開発を考えるのは、アフリカの人々、そして、アフリカ経済を動かす国際社会の一員である日本も当事者の一人です。

©アフリカ市民協議会

〇アフリカの開発について、一緒に考えませんか?

第六回アフリカ開発会議に向けた政策提言、国内啓発活動を進める市民ネットワーク for TICAD は、アフリカから約10名の市民社会を招聘し、アフリカ開発の課題について話し合います。「持続可能な開発」も重要な課題テーマの一つとして設けています。日本でアフリカの開発を考える。音楽あり、文化交流あり、討議ありの企画ですので、初心者の方も是非お越しください。

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▼イベント概要

日時:2016年3月19日(土)~20日(日)

場所:早稲田奉仕園(東京都新宿区)

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特定非営利活動法人アフリカ日本協議会

NGOネットワーキング・コーディネーター

藤井泉