京都の桂川、氾濫危険水位に 嵐山の渡月橋が消える?

今後、渡月橋は欄干を残して水没することが予想されます。

近畿地方に降り続く大雨で京都の名勝、嵐山の渡月橋が桂川の濁流に呑み込まれようとしています。2013年9月に台風18号の影響で桂川が氾濫し、渡月橋の一部が水没して以来のことです。

渡月橋 普段の様子

今の渡月橋が完成したのは1934年。橋脚と橋桁は鉄筋コンクリート製ですが、欄干部分は木造なので、嵐山の風景に溶け込んでいます。京都旅行をした人は、誰もが渡ったことがあるでしょう。

その渡月橋が桂川の増水で全面通行禁止となったのは5日16時10分。当時、桂水位観測所の水位は3.63mで水防団待機水位(レベル1)でした。

その後も水位は上昇を続け、6日16時には4.15mに達し、氾濫危険水位(4.00m、レベル4)を超えました。水位があと20cm上昇すれば、渡月橋は水没します。

桂川の水位はさらに上昇する見込みです。というのも、国土交通省の近畿地方整備局は、京都府を流れる桂川の上流にある日吉ダムが今月の大雨でほぼ満杯に近づき、これ以上貯水できなくなったため、毎秒およそ1000トンの放流を始めていることを明らかにしました。そして、桂川の下流にあたる京都市の嵐山などでは、6日夜に水位が急に上昇する恐れがあるとして、注意するよう呼びかけています。

以上のことから、今後、渡月橋は欄干を残して水没することが予想されます。5年前に渡月橋が水没したときも、橋が流失するといった致命的なダメージはありませんでした。今回はどうなるのか、目が離せません。

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