各メディアの世論調査によると、内閣改造後の支持率が8ポイントほど上昇し、改造のおかげだという分析が目立つが、私は違うと思う。
共同通信の調査によると、支持理由の最多は「ほかに適当な人がいない」の44%で、前回よりも5%近く上がっている。他の支持理由はすべて前回調査と変わらないか減少している。
つまり、この一ヶ月間で、「安倍首相以外に任せられる人がいない」と国民に思わせた何かがあり、それが支持率向上につながったと分析すべきだ。
この間の民進党の迷走ぶりは、あまりにもひどかった。
まず、蓮舫代表の辞任。報道によると、幹事長を努めてくれる方を見つけることができなかったのが辞任の引き金になったという。
要するに、昨年、自分たちで選出した代表を1年もたたないうちに自分たちの手で辞任に追い込んだのだ。
そして、代表戦では新鮮味ある顔が出てくるかと期待してみたら、与党時代の官房長官と外務大臣だった人が出てきて、またあの暗黒の民主党政権時代の記憶が蘇ってきた。
せめて、立候補表明で、「与党だったときは○○したことがだめだったから、今度は○○して、信頼を取り戻す」とか言うのかと思いきや、「もう一度政権交代を目指せるよう、党の再生に先頭に立って臨みたい」だけ。
確かに、当時の民主党が政権を取った時は「一度くらいは別の党に任せてみよう」という気が国民にはあったかもしれないけど、もうそれはない。
「安倍さんは○○だけど、私が首相になったら○○する」という気概を見せてくれないと、もう国民はついてこない。
そんな事考えてたら、今度は細野氏の離党届。
代表戦をやるこのタイミングで離党届を出すなんて、民進党を解体に追い込みたいと考えてるとしか思えない。
党に不満があるのなら、代表戦に出て、「私はこうして党を立て直す」と言えばいいではないか。
要するに、民進党はもうバラバラで、安倍首相の代わりを任せられるような状態じゃない。
それがこの1ヶ月間、もろに露呈したから、内閣支持率が上がったのではないか。
私はこれまでのブログで安倍首相のことを結構批判してきたけど、この民進党のバラバラぶりを見せられると、その私でさえ、「他に適当な人がいないからとりあえず安倍さんでいいや」と言う人の気持ちに少しだけ共感してしまう。
少なくとも、民進党と違って、自民党は安倍首相のもと、統率されている感じがするし、「政権交代」を連呼するだけで、やりたいことが曖昧な民進党と違って、安倍首相は、憲法改正など、やりたいことが明確に国民に伝わっている。
私は、安倍首相がやってきたことや、やろうとしていることに賛成はしないけど、このままでは、国民の選択肢が本当になくなってしまうのではないかと、危惧してしまう。
民進党の代表戦に立候補する人は、せめて、与党時代の反省の弁と、次に与党になったら何をしたいのか具体的に語ってほしい。