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2018年10月18日 12時51分 JST | 更新 2018年10月18日 12時51分 JST

風疹のアウトブレイクです "3分で読める" 知っておくべき最低限のこと

妊婦が感染すると先天性風疹症候群(CRS)になる可能性が。赤ちゃんの耳や目、そして心臓などに障害が出ます。

deeepblue via Getty Images

風疹の流行が収まりません。全国の患者数は確認されているだけでも1100人を超えており、私のいる沖縄県でも、今月に入って4人の患者を確認しました。それぞれの感染ルートが明らかでないため、他にも感染者がいる可能性が高いと考えられます。つまり、風疹のアウトブレイクです。

以下、風疹について知っておくべきことを手短に述べます。最低限の情報に絞り込みました。風疹のことを御存じない方は、一度は目を通していただきますようお願いします。

■ 風疹とはどんな病気?

風疹とはウイルスが原因の病気で、くしゃみや咳、接触によって感染します。インフルエンザよりも感染力が強いため、あなたに免疫がなければ、比較的容易に感染します。

14~21日の潜伏期間を経て、発熱とともに全身に赤い発疹が広がり、首のリンパ節が腫れることで発症します。ただし、感染しても15~30%の人は発症しません。このため、元気に動き回りながら、周囲に感染させてしまう可能性があるのです。つまり、感染者を発見して隔離するという戦略は(全体の一部しか捕捉できないので)意味がありません。

ただ、症状自体は軽いのです。3~7日ほどすれば熱も収まります。それで終わり。これが俗に「3日はしか」と呼ばれる所以で、まれに血小板減少性紫斑病や脳炎などを合併することがあるものの、大半の方にとって命にかかわる問題には発展しません。

ではなぜ、風疹が怖い病気なのか? それは、妊婦が感染すると胎児が先天性風疹症候群(CRS)になってしまう可能性があるからです。症状が出なくても、感染しただけでも、赤ちゃんがCRSになりうることが分かっています。

CRSを発症すると、耳や目、そして心臓などに障害が出ます。沖縄では、米国で風疹が流行した64年に半年ほど遅れて大流行し、その後で408人のCRSの子供が生まれました。これは当時の出生50人に1人にあたるほどだったということです。「3日はしか」と言いながら、生涯にわたる深刻な問題を赤ちゃんにもたらすのですね。

■ どうやって感染を防ぐ?

感染者を早期発見して隔離する戦略は有効でないため、私たちが感染しないようにするしかありません。幸いなことに、風疹にはワクチンがあります。

現在、主たる感染源となっているのは、ワクチン接種が不十分な30代から50代の男性と言われます。とくに1979年4月2日生まれ以前の男性は未接種なので、自分が感染源になりうることを自覚してください。繰り返しますが、あなたに症状がなくてもウイルスをバラまいているかもしれませんよ。

一方、女性については、1977年8月から女子中学生に対する定期接種が始まりましたから、1962年4月2日生まれ以降は、少なくともワクチンを1回は接種しているはずです。ただ、1回のみの接種歴では、感染しないだけの免疫力は維持されません。実際、CRSを発症した赤ちゃんの母親のワクチン接種歴を確認すると、1回接種の人が少なからずいます。しかし、2回接種の人からはCRSが生まれていません。

というわけで、2回のワクチン接種を終了するよう呼びかけているのです。なお、定期接種により2回接種を受けているはずの世代とは、男女ともに1990年4月2日生まれ以降となります。ただし、実際に接種しているかは別なので、ご自身の母子手帳で接種歴を確認してください。60歳以上の人は? 接種しなくていいです。子どもの頃に自然感染しているはずです。

風疹のワクチンは生ワクチンなので、妊婦は接種することができません。なので、ワクチン接種歴が2回ない妊婦の方は、お住まいの地域における風疹流行の終息が確認されるまでは、人込みを避けるなど風疹に感染しないように注意してください。

妊婦の周囲でワクチン接種歴が2回ない方(家族や職場の同僚など)がいれば、ワクチンを追加接種するようにしてください(いますぐ!)。あなたが感染してしまうと赤ちゃんを危険にさらします。なお、接種するワクチンは、MRワクチンと呼ばれる麻疹と風疹の混合ワクチンです。風疹のみのワクチンは生産量が少ないので手に入りません。

■ 感染したらどうする?

もし発熱と発疹があるなど、自分が風疹に感染しているかもと思われたら、自分自身を守りながらも、周囲にうつさないようにすることが大切です。たとえば、病院を受診するにあたって、公共交通機関を利用しないようにしてください。そして、待合室で感染を拡げたりすることがないよう、受診方法について、あらかじめ医療機関に電話で問い合わせてください。

以上、現時点で皆さんに知っておいていただきたいことです。皆で協力して、妊婦と赤ちゃんを守りましょう!