競輪選手23人の「出場自粛勧告」処分軽減を

23人の競輪選手が、日本競輪選手会からの「出場自粛勧告」によりレースから締め出されようとしています。

23人の競輪選手が、日本競輪選手会からの「出場自粛勧告」によりレースから締め出されようとしています。現在私は有志学生と「競輪を応援する学生の会」を立ち上げ、23選手の処分軽減を求め、署名活動を行っております。この文章をお読みの皆様にも是非署名にご協力いただきたく、筆をとった次第です。ご協力いただける方は是非こちらからご署名下さいますようお願い申し上げます。

■「出場自粛勧告」に至る経緯

平成25年12月19日、オリンピックに向けた自転車競技の強化や競輪界を盛り上げることを目的に、トップクラスの選手ら18名が日本競輪選手会から「SS11」という新たな選手会に移籍する意向を表明、日本競輪選手会に退会届を提出しました(その後賛同する選手を加え、最終的に23名がSS11に移籍を表明)。これに対し選手会は手続き上の不備があるとして退会届を保留し、「選手会の規則を乱した」との理由からこれら選手の除名処分を検討しました。1月20日、脱退宣言をした選手が混乱を招いたことを謝罪し、脱退宣言を撤回しました。これを受け選手会は全23名の除名処分は取り消したものの、3月12日、選手会からそれぞれの選手に応じて半年から一年の出場自粛勧告が下されました。出場自粛期間、および処分を受ける選手は以下のようになっており、自粛期間は5月1日より始まります。

5月1日から1年間、競輪出場の自粛休場の勧告

武田豊樹選手=茨城・S1、長塚智広選手=茨城・SS、村上義弘選手=京都・SS

同日から8カ月間

新田祐大選手=福島・90期・SS、平原康多選手=埼玉・87期・SS

同日から6カ月間

佐藤友和選手、伏見俊昭選手、佐藤慎太郎選手、成田和也選手、山崎芳仁選手、

渡辺一成選手、小野大介選手、古川功二選手、鈴木謙太郎選手、牛山貴広選手、

稲村成浩選手、稲村好将選手、岡田征陽選手、豊岡哲生選手、川村晃司選手

稲垣裕之選手、村上博幸選手、藤木裕選手

■ 私と競輪

私は元々競輪に興味があったわけではありませんでした。私が競輪と関わるようになったのは、競輪とはまるで関係のない、大学の剣道部でのことでした。私が大学四年のとき、筋力トレーニングのコーチとして競輪選手が教えにきてくれたのが始まりでした。当時の剣道部は、稽古は一生懸命するものの、結果が伴わず苦しんでいました。そこに新たな風を吹き込んだのが、競輪選手たちでした。彼らは私たち部員と一緒にトレーニングに汗を流し、やり方のわからない我々に一から指導してくれました。また、強豪校との力の差を感じていた我々に、「大丈夫、君たちは勝てる」と言い、それが私たちの意識を変えることになりました。競輪選手によるトレーニング指導は今でも続いています。

競輪選手との交流が続くにつれ、私たちも競輪を実際に応援に行くようになりました。最初に行ったのは2012年の年末GPです。テレビでは見たことがあったのですが、実際に目の前を全力疾走する競輪選手の迫力に圧倒されました。賭け事としての楽しさまでは分かりませんでしたが、その姿は素人の私を魅了するのに十分でした。

私たちを応援してくれた競輪選手が、処分を受け、レースに出られなくなる、と聞いて私は何とか彼らを助けたいと思いました。「重い処分が下される可能性がある」と報道があった2月26日から、私は有志学生と一緒に「競輪を応援する学生の会」を立ち上げ、処分軽減を選手会に嘆願する署名活動を行いました。一週間程度で568名の署名が集まり、処分が決定する3月12日の2日前、3月10日に選手会に署名を提出しました。しかし、残念ながら我々の意向は受け入れられることはありませんでした。

■ 彼らにレースに出てほしい

私が選手会に処分軽減を求めることのモチベーションは、上に書いたような非常に個人的な理由です。私のような競輪との関わり方をしている人はほとんどいないでしょう。しかし、どんな理由であれ今回の処分に不満を持っているという点では多くの人と一緒だと思います。

直木賞作家の伊集院静さんは週刊現代において、

「あの選手たちの一人も引退させたくない。競輪を消滅させたくない。それが私の願いであり、何とかならぬものかと、こんな頭と身体でよければどこにでも下げに行きたい気持ちだ。」

と競輪に対する熱い思いを述べています。

騎手の武豊選手も長年の競輪ファンとして知られ、

「今回の騒動はいったい誰が得をしたのか。選手にペナルティーを科すのもおかしい」

と声を上げています。

何より同じ競輪のトップ選手である深谷知広選手が、

「こんな素晴らしい選手達を1年間走らせない意味が分からない」

と強い口調で怒りを露わにしています。選手会からの反発が予想される中、勇気ある発言と言えます。

出場自粛勧告は、競輪ファンを無視した選手会の横暴ではないでしょうか。彼らの処分軽減のため、ご協力をお願いします。

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