無投票を許さない:人生を賭けた地方政治への挑戦

今回の選挙戦でわかったことがある。市議時代、怠らなかった議会の一般質問と地道な駅頭活動と議会報告を見ていた有権者が「水野ゆうきだけは当選させよう」と動いたということだった。

4月12日(日)。雨が続いた後の久々の晴れ。天気は無所属の水野ゆうきに味方をしたのか。

この日は私が出馬をしている千葉県議会議員選挙の投開票日だった。

私は出馬を決意してすぐに2月の時点で我孫子市議を辞職した。

一般的には告示日まで議員報酬をもらい続ける(自動失職)が政界の常識だが、私はそれを許さず新聞などの定期的に計上している政務活動費も2月分は計上せず返上し、退路を断った。

そこまで自分を犠牲にしてでも「無投票」を防ぎたかった。もし、私が出馬をしなかったら自民党候補(現職)と民主党候補(新人・当時市議)で選挙をせずに仲良く議席を分け合い、市民が政治家を選ぶことすらもできない政治が我孫子市と千葉県で行われることは民主主義の根幹に関わるとし、市民に「水野ゆうき」という選択肢を追加した。二元代表制という政党政治ではない地方政治の仕組みの下、地方政治のあるべき姿を我が身をもって追求するという、まさに自分の人生を賭けた地方政治への挑戦だった。

自民党と民主党は組織票固めの選挙を行うのに対し、私は地道に駅や街中で政策を訴え、我孫子市議選と同様にお金のかからないネットを駆使した。街頭演説もネット中継した。

更に両陣営が駅前に大きな事務所を構える中、私は作業所として看板も出せないようなアパートの一室を事務所とした。

お金をかける選挙ではなく、若い世代でも、女性でも、地盤・看板・鞄がなくても、マイクとアイディアと支援してくれる市民や仲間がいれば、チャンスがあるということを示し、若い世代に夢と希望を与えたかった。これが純粋な気持ちだ。

当日は我孫子市の選挙管理委員会から随時投票率のメールが届く。ツイッターでも配信される。今年1月に行われた市長選(過去最低の32.52%)を更に下回る勢いで、最終投票率は35.48%(当日有権者数108,192人中投票者数38,385人)となり前回(40.97%)より5ポイント以上を下げた数字に事務所には暗い雰囲気が漂った。

組織や政党の支援がない本当の意味での無所属の私にとって投票率がカギだったからだ。

開票所から支援者から随時連絡が入る。第一報は競っていたことから、事務所にいた支援者はあきらめなかった。そして21:50。

自民党候補14,526票、民主党候補10,116票の中、無所属・水野ゆうきは13,261票と自民党に約1000票と迫り、民主党に約3000票の差をつけて当選が決まった瞬間、事務所内は驚きの歓声と涙で溢れた。

今回の選挙戦でわかったことがある。市議時代、怠らなかった議会の一般質問と地道な駅頭活動と議会報告を見ていた有権者が「水野ゆうきだけは当選させよう」と動いたということだった。低投票率の中でも、無所属でも、投票の質が他の選挙区と異なっていた。

有権者は見ている。11月、我孫子はまたもや市議会議員選挙がある。いきなり今から現れる政治家をチェックしておくべきだ。

有権者の皆さん、思い出してほしい。前回4年前から昨年あたりまでに皆さんの前にきちんと顔を出した政治家は誰だったか。そして今から突然現れる政治家には騙されないようにしてもらいたい。

主役は政治家ではなく、市民の皆さんなのだ。

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