【地方議会改革】適正な議員定数の判断基準とは?

市民・県民を第一に考えた施策を着実に実行に移していくことが地方政治の大きな役割なのだと、私は思う。

千葉県議会議員となって約半年。現在の千葉県議会議員の定数は95名だ。この数だけ聞くと一般的には「多い」という声が過半数を占めることだろう。私自身もそう思うし、政策では議員定数の削減を掲げている。都道府県議会というのは県内の各選挙区から決められた定数の議員によって構成される。我孫子市選挙区(我孫子市の人口は約13万3千人)からは2名、柏市選挙区(柏市の人口は約40万4千人)からは5名など、選挙区の人口等によって定数は異なってくる。そして千葉県議会でもとうとう議員定数是正の動きが出始めた。

議員定数というのはそれぞれの議会が決めることになっている。つまり、千葉県議会の議員定数を決めるのは千葉県議会であり、我孫子市議会の議員定数を決めるのは我孫子市議会である。

さて、この議員定数問題を我孫子市議会は抱えたまま選挙に突入することとなった。現在の我孫子市議会の定数は24名。私は我孫子市議会議員時代、議員定数削減派であり、約2年前の2名の議員定数削減の発議案に賛成した1人だ。しかし、5名(提出者:ひぐらし俊一議員、豊島よういち議員(水野と同じ会派の代表)、佐々木豊治議員、甲斐としみつ議員、水野)しか賛成しなかったので、否決された。その際、私含め賛成議員(特に議案提出者のひぐらし俊一議員)は議会で批判された。

主な批判内容は「議会基本条例を策定中であること」「議会改革特別委員が賛成者にいる(水野とひぐらし議員)」「2名削減の根拠が不明確」等が挙げられた。私は常々、ネット上でもしっかりと削減賛成理由の自分の意見や政策を述べてきた。一般的な例としては途中で病気や死亡等で議会を離れざるを得なくなる政治家も少なくなく、私が市議時代には24名の中に1度も質問をしない議員もいたし、更に県政や国政や市長等を目指す議員が辞職や自動失職をするなどという政治情勢も変化し、むしろ定数に達していない時期の方が長かったわけだが、中に入っていた私としては23名だろうと22名だろうと、特に議会に支障はなかったように私は思えた。

更には、市長選時に市議補選も行い、市議を補充をしていく仕組みにもなっている。議員の報酬や政務活動費は税金で賄われていることから、市民が議員の活動をしっかりと注視し、働く政治家を選挙にて選ぶことによる少数精鋭の議会が望ましいと思っている。

そして9月の我孫子市議会定例会にて、議会基本条例を制定・施行され、11月の選挙前にひぐらし俊一議員が再度2名の議員削減する発議をしたが、またもや否決された。更に今回は削減賛成派私も市議会の場にはおらず、他の賛成議員は議長(議長は賛否に参加できない)になっていたため、前回より賛成者は減ってしまった。

議員定数や報酬の考え方というのは市民から一番わかりやすい「議会改革」であり「政策」であろう。多種多様な意見を議会に入れるためにむしろ議員を増やすべきという政治家もいるし、少数にすると組織を持つ候補者が選挙で強くなってしまうので政党政治に近づいてしまうなどという見解から削減に反対する政治家も存在する。私はそういった政策は、それはそれで良いと思う。

ただし、ここで一つ皆さんに知ってもらいたいのは今回の我孫子市議会のみならず、すべての選挙の時に「議員定数削減」を掲げていた候補者や政治家が実際に発議されると否決をするという実態だ。選挙の時に打ち出した政策と何故異なる賛否行動を行うのか、ということをしっかりと候補者に聞くことが重要だと思う。

一番あってはならない理由は、自分が次の選挙で落ちそうだから削減しないという身の保身であり、まさかそんなことで削減に反対している議員はいないことを願うが、2名削減では駄目なら何名なら良いのか、いったいどんな議論が尽くされれば賛成するのか、人口比で決めるべきなのか、少数精鋭にするのか、逆に議員を増員して報酬を下げるのか、など市民・県民が望む議会の在り方を見つめ直すことが必要で、既に我孫子市議会で行われたアンケートでは多くが「議員が多い」と答えている。

議員定数に答えはない。しかし、市民が望んでいるのは「削減」であることだけはわかっている。残念ながら数の論理で今期での我孫子市議会での削減はかなわなかった。

私はよく市長たちと話す。

「政治は理想ではなく現実である」。

一歩でも、少しでも前に進めていくことが大切なのだ。理想論を語ることや人の揚げ足をとったり、議論ばかりに時間を費やすのではなく、市民・県民を第一に考えた施策を着実に実行に移していくことが地方政治の大きな役割なのだと、私は思う。

したがって県民が「議員は多い」という意見を持つ以上、私は削減の数字が1名であろうと2名であろうと、千葉県議会において議員定数削減が少しでも進むのであれば賛成という立場を取り続けていく。

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