じぇじぇじぇ!? 世界でも希有な「海女」という存在

近年、海女は、後継者不足や磯場の荒廃などによって、消滅の危機に瀕しています。この現状を受け、2009年から毎年開催されている「海女サミット」や2012年に鳥羽市で設立された「海女振興協議会」など、貴重な海女の文化を保護するための取り組みが、各地で始まっています。

北限の海女 素潜り実演の様子(撮影:松岡由希子)

NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のモデルとなった、かすり半纏とショートパンツがトレードマークの「北限の海女」(岩手県久慈市)。断崖と岩礁からなる雄大な陸中海岸で素潜りし、三陸の冷たい海水の中でウニなどの海産物を採る華麗な姿は、自然環境としなやかに共存する日本古来のライフスタイルを、現代に伝えているようにも感じられます。

2011年1月、第77回海洋フォーラムで講演を行った、海の博物館(三重県鳥羽市)館長の石原義剛氏によると、日本での海女の歴史は2000年以上。また、2011年時点において、全世界で海女の存在が確認されているのは、日本の18県と韓国の済州島および本土の一部のみで、世界的に稀少な存在でもあります。

このように世界的にも珍しい"海女"は、海外の人々からも関心を集めています。ドイツの写真家ニナ・ポッペ(Nina Poppe)氏は、伊勢志摩地方の海女の日常生活を撮影し、写真集「AMA(海女)」にまとめました(動画参照)。青い海にとけ込む海女の姿や、のどかな港町の様子などが、淡い色彩で美しく表現されています。

近年、海女は、後継者不足や磯場の荒廃などによって、消滅の危機に瀕しています。この現状を受け、2009年から毎年開催されている「海女サミット」や2012年に鳥羽市で設立された「海女振興協議会」など、貴重な海女の文化を保護するための取り組みが、各地で始まっています。

2013年、"あまちゃん人気"で再び脚光を浴びている海女。一時的なブームにとどまらず、海女たちが長年受け継いできた日本の慣習や文化をじっくりと知るきっかけにしたいですね。

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