署名活動も寄付もオンライン?日本の政治も本格的なネット活用の時代へ

インターネットは、もはや日常的な通信インフラ。街頭での地道な政治活動やテレビ・新聞といった既存メディアへの露出のみならず、様々なオンラインツールを効果的に活用することによって、より多くの人々に対して、政治への関心を喚起し、署名や寄付などさらなるアクションを促す、という時代へと、移りつつあるようです。

2013年7月に開設された、政治のためのクラウドファンディングサービス「PUSH UP!

投票日が2013年7月21日に迫る第23回参議院議員選挙は、ブログやソーシャルメディアネットワークなどの選挙活動への利用(いわゆる"ネット選挙")が解禁されて初の国政選挙としても、注目されています。

政治分野にインターネットを活用した先駆的な事例としては、バラク・オバマ(Barack Obama)現大統領による2008年米大統領選挙でのキャンペーンが挙げられるでしょう。公式ウェブサイトを通じて最低5米ドルからの小口寄付を一般市民に広く呼びかけ、その選挙資金の多くを調達しました。また、2006年に米サンフランシスコで設立され日本を含む196カ国に展開する「Change.org」や「iPetitions」といったオンライン署名プラットフォームでは、一般市民から様々な政治問題や社会的課題が提起され、草の根レベルでの署名活動が実施されています。

近年、キックスターター(Kickstarter)に代表される"クラウドファンディング"の流れを受け、政治活動や社会運動に特化したクラウドファンディングサービスも増えてきました。2004年の開設以来、総調達額が約4億ドルにのぼる「ActBlue」をはじめ、「RALLY.org」、「Fundly」などが、これに当たります。

同様の流れは、米国より少し遅れ、日本でも見受けられるようになりました。オンライン署名プラットフォーム「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」の日本版が2012年7月に開設されたほか、2013年7月には、政治に特化した日本初のクラウドファンディングサービス「PUSH UP!(プッシュアップ)」がスタート。このサービスは、国政選挙・地方選挙への議員立候補者が個人からの献金をオンラインで広く募り、満20歳以上の日本国籍を持つ人であれば500円から寄付できるというものです。

インターネットは、もはや日常的な通信インフラ。街頭での地道な政治活動やテレビ・新聞といった既存メディアへの露出のみならず、様々なオンラインツールを効果的に活用することによって、より多くの人々に対して、政治への関心を喚起し、署名や寄付などさらなるアクションを促す、という時代へと、移りつつあるようです。

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