お母さんの味を見つける  イギリスのお庭のリンゴでつくるアップルクランブル

イギリスのお母さんの味を日本人向けにアレンジ。

国や文化が違えば食文化もいろいろ。でもお母さんにはみんな、そのお母さんの味があります。海外で子供が喜ぶお母さんの味を教えてもらいました。

あるイギリス人女性の「お母さんの味」

私がロンドンに住んでいた時、ひとりのイギリス人のお母さんと仲良くなりました。その方はお菓子を焼くのがとても上手で、いろいろなイギリスのお菓子を教えてくれました。その中のひとつが、アップルクランブルで彼女自身が子供時代によく食べていた懐かしの味だそうです。

「家の庭にリンゴの木があって秋になるとたくさんリンゴがとれるのよ。リンゴは好きだったけれど、あんなにたくさんのリンゴを家族で食べるのは大変だったわよね。だから私の母はよくリンゴのお菓子も焼いてくれて。リンゴとブラックベリーのクランブルは一番好きだった。ブラックベリーも庭でとれたものを使うのだけれど、夏にとったものを冷凍しておいていつも使っていたわ。」

「クランブルって戦時中のバターや小麦があまりなかった時代にパイの代わりとして作られるようになったものだけれど、パイよりも簡単だし、今は立派なデザートとして人気があるわね。私の子供はアイスクリームと一緒に食べるのが好きだし、私の夫は断然、カスタードクリームね。」

そんな話をしてくれました。イギリスは正直言って食文化があまり豊かとは言えませんが、お母さんの懐かしの味は話が盛り上がりました。

お母さんのアップルクランブルはどんな味?

彼女のお母さんの味、私も時々作るようになりました。果物の優しい味とクランブルのサクサクした食感、温かいクランブルに冷たいクリームという組み合わせが絶妙です。彼女のレシピを少しだけ日本人向けにアレンジしてみたら子供たちも大好きになりました。

リンゴは、イギリスでは酸味の強いリンゴを使うことが多いようですが、私はフジリンゴで作っています。普通の砂糖より粗糖を使うとサクサクした食感が楽しめるのでおすすめです。食べ方も、私にはカスタードでは甘すぎるので、クレームフレーシュと一緒に食べるのが好きです。これはサワークリームの一種で日本ではあまり一般的ではないかもしれません。クランブル自体砂糖をだいぶ減らしているので、アイスクリームで試してみるといいかもしれません。最後にレシピを載せましたので是非作ってみてください。

私は先日も子供と一緒に作ってみました。

バターと小麦粉を混ぜてクランブル生地を作ります。この混ぜ方はイギリスのお菓子のレシピにはよく出てきます。

焼き上がり。表面がゴールデンブラウンになるまで焼きます。

お皿にとりわけてクレームフレーシュを添えました。

材料はシンプル、作り方も簡単で、お母さんの味はやさしいです。

アップルクランブルのレシピ

材料:

リンゴ 700g

シナモンパウダー 小さじ1

水 大さじ2

ブラックベリー 50g-100g

無塩バター 75g

小麦粉 125g

ベーキングパウダー 小さじ1/2

粗糖 55g

ピーカンナッツ 75g

作り方:

1. リンゴは皮をむいて薄くスライスし、シナモンパウダーと水とともに鍋に入れ、ふたをして火にかける。

2. 中火くらいで数分間、リンゴが柔らかくなるまで煮る。

3. バターは冷蔵庫から出したらすぐにさいの目に切り、小麦粉とベーキングパウダーと一緒にボールに入れる。

4. バターを指でつぶしながら小麦粉と混ぜ、荒いパン粉のようになるまで細かくつぶす(子供が作っている写真が参考になるでしょうか)。

5. 4のボールに粗糖と荒く刻んだピーカンナッツを加えて混ぜる。

6. オーブン用の深皿にリンゴを敷き、その上にブラックベリーをまんべんなくのせる。

7. さらに5を全体にまんべんなくかける。

8. 180度に熱したオーブンで30分程度焼く。

9. お好みで生クリーム、アイスクリーム、カスタード、クレームフレーシュを添える。

野口由美子 (ブログParenting Tips)